新たな予兆 ※ ページ30
由仁君に謝罪すると、
「Aのこととっても大好きだから、ゆるしてあげる」
「でも、その代わりにヒナの事許してあげて」って。
つくづく周りに恵まれている。
由仁君と少しお茶し、意を決して自室に向かった。
ゆっくりとドアを開けると灯りがついている。彼が、居るんだろう
部屋に入り、ドアを閉めた。
「…」
ただいまを言わずに歩き進む。
騒がしいバラエティ番組が付いている。
ソファに、彼が座っている。
「雛次君」
「…」
「……」
「……え？あ、Aさん、まって、これ今あっ、CMかい！？今CM！？テレビ局め、訴えてしまおうかな」
「…」
「あ、お腹空いたかい？何か作……れないから食べに行こうか？」
「……え、あ、いえ、作れますから」
いや、待ってほしい。
こんなに悩みまくっていたが、悩んでいたのは私だけだった。
洗剤のCMに悪態を吐く目の前の美形に驚きを隠せず、声も裏返った。
……なんだ、なんだ。
「…良かった」
ボソ、と呟いたそれは彼の悪態に掻き消された。
☆
料理初心者の雛次君と、普通に私も失敗しためちゃくちゃマズい料理を二人で「まずい」と言いながらも食べる。
初めての共同作業で作った料理だ。何故か完食しようという事になった。不味。
「…そんな事があったんだね。君にとって、望月悠馬は大切な存在になったんだ」
「……そうですね。悠馬が、励ましてくれたんです」
「いい話だね。いつか君が恩返しをしなくちゃあね」
雛次君は黒焦げになった野菜を食べ、「ウッ」と唸ってから続けた。
「ねえ、そうだ。謝らせてくれ。」
「え？もういいじゃないですか」
「そもそもよく考えたら君は正当な事を言っていたんだ。由仁君とも仲直りしたみたいだし、後残った悪者は僕だけだ」
「悪者だなんて、そんな」
言いかけて、雛次君が私の口元に人差し指を当てた。
「いいから。」
「……」
私も生焼けの野菜を食べ、「ウ」と唸る。
雛次君は箸を置いて、両手を太ももに乗せた。
「Aさん、ごめんなさい。また僕とゆめライブ、して下さい。」
「…あ、こちらこそ、すみませんでした。貴方のゆめの為、協力させてください」
「「……」」
少しの間。
そしてなんとなく二人とも頭を下げた。
あまりに息がぴったりだったので、ゆっくり顔を上げて見合わせ、おかしくて二人で笑った。
まずい料理を完食してから片し、二人で明日の予習をした。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
