合宿 ページ1
着地地点が良かったのか、太陽の方角と時刻を頼りに1時間ほど歩き、簡単に頂上に着いてしまった。
身体についた葉っぱを払う。
そしてめちゃくちゃ転んで擦りむいた膝の痛みを無視し、広大な歩いて来た道を見返した。
そして豪勢な城に向き替える。
……これ、確か竜王コーポレーションが再構築したんだったか…
城に近づくと、入口らしき所で待機している、大自然とは場違いな高そうなスーツを着た人が見えた。
恐らく仁さんのとこのスタッフだろう。
葉っぱを急いで払い終え、彼に声をかける。
「あの、すみません、黒寮特進性のAと申します」
「あぁ、A様！お待ちしておりました。」
なかなかフレンドリーそうな話し方をしてくれる。いい人だ。流石竜王コーポレーションの社員(?)
彼はでは…と言いかけて口をつぐんだ。
「…そのお怪我に、御格好は…」
「え？」
「…何をなさったのですか？」
彼は私の服と、膝の惨状を眉をひそめながら見つめた。
…かなり痛いのを我慢していたが、よく見たら膝の怪我から大量の血が流れ、靴にまで侵食していた。
それに転んだとき擦りむいた上着のひじのところがほつれ、なんか全体的に砂で汚い。
私に今できることは、苦笑いで社員の彼に視線を戻すことだけだった。
☆
『仁様にこれをお見せするわけには行きません』
真顔でそう言われてしまい、現在控え室の様な所で大人しく手当を受けていた。
思ったより傷が深かった。消毒された時の激痛は二度と忘れないだろう。
先程の方とは変わり、他の社員の方に私の足に包帯を巻いて貰っていると、控え室の戸が開いた。
「そろそろ食事を……あ？A…」
入ってきたのは千鶴だ。
周りに散らばる血まみれの布と脚に包帯を巻かれている私を見て、みるみる目を開いた。
「…な、何が…」
「いや、その、転んだだけなんですよ」
千鶴は暫く私の目をじっと見た後、社員さんに声をかけた。
「……手当、変わって頂けますか？」
「え？槙さん…ですが食事は」
「それは貴方がやれば良いです」
「は、はい。」
千鶴のにっこり笑顔でスタッフを追い出した。仁さんの右腕だから誰も逆らえないのだろう。こんなの脅迫だ。
「失礼します」と言いながら慌てて出て行ったスタッフさんに少し同情した。
そして私によってきた千鶴。
…一瞬身構えたが、しゃがみこんで普通に手当をし始めた。
「…ほら、大人しくしててよね。」
「…はい」
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
