【刀剣乱舞】できることなら、もう１度。

２６：包丁藤四郎 ページ26

〈私、一応人妻なの。大好きな大好きな人妻の言うこと、ちゃんと聞いていてね？〉
_______『やだやだ！ねえ、離してよ....っ！』




『包丁藤四郎だぞ！ 好きなものはお菓子と人妻！ よろしくー！』

「お菓子は私も好きだからいっぱいあるよ！人妻....は.....ごめんいないなあ...。あーでも歌仙さん旦那さんにすれば....。うん、ちょっと考えよ。よろしくね、包丁くん！」

にこにこ笑ったり、真面目な顔で考えてくれたり。
《僕を選んでくれたのは嬉しいけれど、君の旦那にはならないからね！？》
今までは、この場では歌仙は何も言わなかったらしいんだ。Aにも、俺たち刀剣男士にも。まあ、その後は 姑か！ っていうぐらいいっぱい言ってくれるんだけど。最初の出会いくらいは、って言う歌仙の思いやりだね。
一緒にお菓子持って、粟田口のとこ行こ！
と言って、厨から取った大量のお菓子と一緒に連れて行ってくれた。

「包丁くん！」
一緒にお菓子買いに行こ！
俺が誰かと喧嘩をしたりするとすぐに気づいて、そう言って外に連れてってくれた。
好きなだけ買っていいよと言ってくれて、どれだけ長くなっても待っててくれる。
そしていつも、これ持って、一緒に謝りに行こ？
と言って、手を繋いでくれて。一緒に謝りに行ってくれた。

「ほーちょーくーん！』
人妻の本ばっか見てないでお菓子食べよー？
そう言われて、よく一緒にお菓子を食べた。
Aと食べると、より一層美味しく感じるのはなんでだったんだろ。
美味しいねと笑うAには、惹きつけられるものがあった。
人妻人妻言っていたし、人妻の本を見る時間は、とても好きだった。
でも、Aと笑い合いながらお菓子を食べる時間が１番好きだった、なんてね。

_____反省とか後悔とか、しなくていい。過去が変わるわけじゃないからね_____
Aは１度だけ、そう言ったことがある。
あれは確か.....そう、少しずつ少しずつ見習いに着き始めようとするものが出てきてたとき。
しっかりとみんなの目を見つめて、力強く。
みんなの選択を否定しないと、そう言うかのように。
Aはその時もう、乗っ取られると分かっていたのかな。人のことには凄く敏感だったから、きっと。
ずっとずっと、悲しかったのかな。苦しかったのかな。どうして気づけなかったんだろう。




反省だって、後悔だって。するに決まってるじゃん。俺たちの選択は大間違いなんだ。
今からでもいいからさ。
間違ってるよ、って否定してよ。

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