10:ソハヤノツルキ ページ11
〈はあ....。どんだけ強くしても写しは写し、ってね。〉
_______写しの、何が悪いんだ?
『ソハヤノツルキ、ウツスナリ......。 坂上宝剣の写しだ。よろしく頼むぜ』
「坂上宝剣。聞いたことないなあ....。まあ、とりあえずよろしくね、ソハヤ!」
“写し”
俺自身、“写しである”ということにコンプレックスを持っているわけではない。....全く気にしていないと言ったら嘘になるが。
それでも、写しであるということに対して何も言わず、何も思わず。
そんなAが主で良かったと、心からそう思えた。
そして、Aが死ぬその時まで、“守り刀”としてAのことを守ると。
顕現されたその日に、そう決めた。
........のにも関わらず。
見習いが来て、俺たちのほとんどは見習いについた。そうなると、審神者は交代だ。
交代したその日。
〈やあっと私のモノになった!これからが楽しみだわ〜!〉そう言って笑った“審神者”の声は、今でも忘れられない。
「ソハヤ〜!」
今日は、部隊長よろしく!ちょっとでも怪我したら、すぐ帰ってきてね?、と言って部隊長に任命してくれた時の声。
「ちょっと、どうしよう!?」
今日のお昼までに提出しないといけない書類、1つもやってない!、と言って、叫んでいた声。
書類を手伝う奴等。
叫んでいることに対して怒る奴等。
やってないと言っているのにも関わらず遊びやお茶に誘う奴等。
その誘った奴等を注意する奴等と、遊びに行っておいでとAに言う奴等。
ちょっと休憩と言ってお茶やお菓子を持ってくる奴等と、Aを励ます奴等。
そんな騒がしい中、寝ている奴等。
皆それぞれだった。
でも1つだけ、共通することがあった。
それは、“この日はいつも、午前中は騒がしくて午後は静かだ”ということ。
理由は、Aが爆睡するからだ。
これは最早、月に1度の恒例行事みたいになっていた。
『もし、俺が。この本丸の何処かに、誰も分からないような所に。刀に戻して仕舞ってくれ、って言ったらどうする?』
顕現されてから近い日、半分は本気で、半分は試すように、そう聞いたことがある。
すると。
「んーそれは、聞けないお願い、かな。それをソハヤが。他の皆が望んでたとしても。大切な大切な、家族の一員だからね。もし、それでもって言うなら......どうしよっかなあ......怒る、かな?」
と言った。
Aは優しいから。
言霊を使ったりはしない。
“守り刀”としての役割を果たせず、すまなかった。
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味海苔(プロフ) - ポチャエモンさん» 気付いてませんでした...態々ありがとうございます!!番号の振り方を間違えてたみたいです...次更新するときに変えておきますね。本当にありがとうございます! (2019年2月9日 11時) (レス) id: 5d9a052c04 (このIDを非表示/違反報告)
ポチャエモン - 28話と29話が抜けてますよ〜! (2019年2月7日 17時) (レス) id: 84f02aef57 (このIDを非表示/違反報告)
味海苔(プロフ) - チェシャさん» おめでとうございます〜!何度もコメントありがとうございます!!受験勉強精一杯頑張ります、応援ありがとうございます! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 5d9a052c04 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ - あけましておめでとうございます!受験頑張ってくださいね! (2019年1月4日 12時) (レス) id: bce2687db4 (このIDを非表示/違反報告)
味海苔(プロフ) - チェシャさん» すいません、本当にありがとうございます...!またこの作品に戻ってきたら、よろしくお願いしますね (2018年9月7日 20時) (レス) id: 5d9a052c04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:味海苔 | 作成日時:2017年8月9日 14時