いわゆる。 ページ1
我慢していたモノがなぜかこのタイミングでこぼれ落ちた。
二口くんが目を見開き、教室のドアをガラガラと閉めて廊下に二人きりにさせる。
そして一つ上の階へ上がる。
なんだか弱い女アピールしてるみたいで気持ち悪い……最悪なタイミングだ。
二口「Aさん泣いてる……」
掴んだ腕は離さず二口くんは言う。
『な、泣いてない！えっ…と…
殴るの……よくないよ…』
目を合わせずに逸らしてそう言った。
黒尾のあの性格だとあとから二口くんに何するか分からない。
二口「だって、黒尾さんが」
『だってじゃなくて……』
二口「……っ」
二人とも、黙る。
他のクラスはもうはじめの授業が始まったのか、とても静かで。
気まずい。
でもそのとき、いきなり腕を引っ張られた。
『え』
視界が歪む。
『二口く、』
ドン
背中に、かたい壁が当たった。
目の前を見れば、白いシャツ。
見上げれば、二口くんの整った顔。
これは…………
いわゆる
二口「………Aさんが取られててすげえウザいんです…」
キュ、と二口くんのシューズと床が擦れる音がして、顔が近くなる。
私の顔の両側には二口くんの大きな手。
その手が私を逃がそうとしなくて
二口「………俺はAさんが本気で好き。すげえ、好き。」
二口くんが喋るたび、その声が脳から離れていかなくて、心臓がバクバクする。
『二口くん、手、のけてよ……そんなこと、軽々しく言っちゃ……』
二口「軽々しくなんかじゃねーよ……」
更に近づく綺麗な顔。
どうしよう、逃げられない。
二口「………俺、確かに黒尾さんが昨日言ってた通り……前までは彼女たくさん作っては、捨ててた……けど、俺……
もうAさんじゃないと無理なんです」
二口「今もすごく、キスがしたい」
『っ！』
私の前髪をゆっくりとよせると、二口くんはおでこに優しくキスをした。
『や……二口くんっ……』
二口「Aさんは……どうなんですか…っ、俺のこと……どう、思ってますか………」
至近距離で目があって
心臓がバクバクして
顔が赤くなるのが分かって
ああもうこれはそういう症状なんだな、って
実感した。
『………好き、です……』
これがたぶん、“恋”したときの症状でしょう？？
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狐 - またこう言う夢小説書いてください！！ (2022年10月17日 20時) (
レス) @page8 id: 54e64013eb (このIDを非表示/違反報告)
を。 - めっちゃ面白かったです！！ 更新待ってます♪♪♪♪ (2022年8月29日 0時) (レス) @page8 id: b484c5026d (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - そこで終わり？！ってなってしまいましたwでも読んでいてすごく楽しかったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2022年5月15日 17時) (レス) @page8 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
Ｎ - 終わり方!!??www (2021年11月26日 0時) (レス) @page8 id: ee79ae4f81 (このIDを非表示/違反報告)
多趣味のM(プロフ) - そこで!?って叫んじゃいましたｗ続き気になります!!更新待ってます!! (2020年12月28日 7時) (レス) id: 2c30e4e7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オ塩 | 作成日時：2015年8月12日 22時
