向日葵みたいな君8

329.青side ページ43

「横浜の海行ったことあるか？
　Aと一緒に」

「あるで」

「どこらへん？」

「芝生広場の奥」







移動中の車内で
3人のグループに
淳太が照史に送った短いメッセージ






昨日のアルコールが残る体で
なんとか乗った新幹線






照史も同じなのか
短いメッセージを返すだけ






俺は質問の意図がなんとなく気になって

「なんで？」と淳太に向けてメッセージ






昨日は本当に楽しくて






体調悪そうだったのは気になるけど
スタンプも来てたし






あんな風に照史と
姉ちゃんの話が出来るとは
思ってなかったから






あの頃出来なかったから

今から2人で過ごしたらええと

また嬉しそうに笑う2人が見れるんかと

嫉妬にトチ狂った照史が見れるんかとw






楽しい未来だけを想像して
ホンマに楽しかった






「今日も朝早いから眠いー」

そんなメッセージと一緒に
目を瞑った自撮りを
姉ちゃんのいるグループに送る






今度会うたら
照史をグループに入れていいか聞こ

「照史の連絡先なんて
　私が知ってていいの…？」とか言いそうやなw






知りたがってんのは照史やw







『照史は世界一格好いいってば！』







眠る直前
アホな姉ちゃんの言葉を思い出して
口角が上がった







・






昼を大幅に過ぎて
もはやおやつの時間に差し掛かる辺りで
ようやく訪れた昼休憩






しんど…






スマホを手に
特に何も考えずに
淳太から届いたメッセージを開いた






「忙しい時にスマン。
　迷ったけど、2人には隠さず伝えるわ」






そんな前置きをしてから
次に届いたメッセージに俺は固まった






「昨夜、Aの体調が悪化して
　集中治療室に入った

　面会は個室に戻るまでNG

　今は悪いなりに安定してるけど
　意識は戻っていない」






ほんの30分前に届いたメッセージに
俺は慌てて電話を掛けるけど

淳太が出ることは無い






感情を乗せずに
事実だけを淡々と連ねた文章に

俺は怖くて仕方ない






姉ちゃん

やっぱりしんどかったんか

照史に見つからないように
必死に隠しとったもんな






それでも

集中治療室って






少し前
心臓が止まってしもた時ですら

あの個室に居ったのに






再会してからこんな事初めてで

俺は不安な気持ちを
淳太へのメッセージに込めた

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