向日葵みたいな君8

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久しぶりに来た原宿

平日なのにすごい人






私が座る大きい車椅子はとても目立つのか
人がモーゼのように避けていく



「お前が居たら歩きやすいな！ハハハ！」



笑うお兄ちゃんが頼んだのは
私の好きなツナチーズクレープ



「食いたいだけ食え！残り食ってやる」

「おかず系苦手でしょ？」

「大丈夫。口直しも買ったから」



甘党のお兄ちゃんは
期間限定のクリーム増し増しクレープを反対の手に持ってる笑





一緒に写真を撮ってから
少し人混みを避けてから食べる





久しぶりに食べるクレープは

本当に美味しい





「なぁA」

「ん？」

「外出許可なら出るんだから
　淳太君とか流星にも言えよ？

　退院出来ないって言っただろ」

「退院は出来ないじゃん
　だから…外出も無理かと思ってたんだもん」





そんなワタシの頭をポンポンと撫でると





「今度また、探しに行くか！
　見つかるまで付き合ってやるよ

　こうなりゃ根比べだな」





笑ってクリームを頬張るお兄ちゃんは
やっぱり私には甘くて優しい





時間の許す限り車で行ける観光地に
色々行ってくれた

全部で写真を撮って
お父さんお母さんに送った





「あら、楽しそうね」

「今度、4人で東京観光しようか」





そんなメッセージを見て
お兄ちゃんが俄然張り切ってる笑




楽しみな未来の予定が出来て嬉しかった





・





病院の晩ごはんの時間を過ぎてたから
ちょっと怒られた笑


お兄ちゃんとパソコン広げて
家族旅行の予定を立てる



楽しくて2人でわくわくしてる



どうせなら2人で両親を
高級ホテルに泊まらせてあげよう！って

Ｔ国ホテルに決めた



病院からもそんなに遠くない



日程はまた今度って事で
夕食前にお兄ちゃんは帰っていった





・




やはり体力のない体は
晩ごはんもろくに食べないまま眠ってしまった


楽しい夢を見ていた気がする


幸せな夢を見ていた気がする






その時


「………ｯ……痛……ﾊｧ……ｯ…」



前触れなく突然来た酷い痛み






瞬時に上がる吐き気は

胃の中どころか
体中の水分を奪っていく

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