敵わない ページ17
A「ある日?」
小野「うーん。やっぱり言いづらいかも…。」
沢城「小野さん!何言ってるんですか?ここまで来たんだからもう言っちゃいましょ。」
小野「そうだよね。ある日、沙希さんは倒れたんだ。アフレコ中に。」
A「…(まさか…)」
小野「病院に行ったら重い病気だってことがわかって…。」
顔をあげると小野さんの目から涙がこぼれていた。
沢城「もう、小野さん泣かないでくださいよ。」
小野「ごめん。」
泣き出した小野さんの代わりに沢城さんが話を続けた。
沢城「病気がわかってからたった2ヶ月後には沙希さんはこの世からいなくなってしまったの。」
沢城さんも今にも泣き出しそう…。
A「そう…だったんですか。」
沢城「そうだ!Aちゃん。沙希さんの写真見せてあげる。」
沢城さんは重い空気を払いのけるように言って、カバンをあさりだした。
正直言って沙希さんの写真を見るのは少し怖かったでも…
沢城「ほら。」
A「きれい…。」
写真の中で笑っているきれいな女の人。
(あぁ、これは敵わないなぁ。)
嫉妬とかじゃなくて、私も沙希さんのことを好きになってしまうような…。
A「あの、沢城さん。」
沢城「ん?なに。」
A「この写真もらってもいいですか?」
小野「え!?」
沢城「小野さん、うるさいですよ。Aちゃん、良いけどもらってどうするの?」
A「宝物にします!だって、こんなきれいな人。嫌いになれないです。むしろ大切にしたいなって思って…。」
小野「Aちゃぁぁあん。いい子すぎるよー。」
小野さんが泣きながら私の頭をなでてきた。
沢城「小野さん気持ち悪いです。Aちゃん、どうぞ。大切にしてね。」
A「ありがとうございます!」
〜神谷side〜
小野くんとみゆきがAを連れていったけど、A大丈夫かなぁ。
しかも俺、Aに対してひどい態度とっちゃったなぁ…どうしよう。
嫌われちゃったかなぁ。
せっかくやって来た大切な妹なのに。
それにしても、小野くんとみゆきは何の話してたんだろう…。Aも…。
気になるなぁ。ちゃんとAに謝ったら聞いてみよう。
たとえ答えてくれなくてもね。
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作者名:あまっちゃん | 作成日時:2020年5月30日 17時