_____Episode 4____ ページ31
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それは本当に些細なことだった。
「ねぇ裕太ー」
裕「んー?」
「明日の朝なんだけど」
裕「あー、うん」
「モーニングミーティングが急遽入って」
裕「そうなん?」
「だから、私先に出るね?」
裕「ん」
Aが次の日が早い日は、泊まらず帰ると言い出すことが多いが、裕太は携帯でずっと誰かとやり取りをしていて、Aの報告は話半分な様子だった。
Aもそんなに気に留めずに、報告をしたと認識していたので、それ以上何も話しかけなかった。
Aは洗い物を済ませて、いつものようにお風呂掃除をしてお湯を張る。
溜まるまでの時間にゆっくりしようと裕太の隣に座ると、裕太はまだ誰かとやり取りをしていた。
少し気にはなったが、紛らわすために意識をテレビへと移した。
しばらく集中していると、お湯張りを知らせるアナウンスが聞こえてくる。
「裕太、お風呂沸いたけど」
裕「うん」
「入らないの?」
裕「入るでー」
そう言いながらも視線は携帯に落とされたままで、こちらを向く気配など微塵もなかった。
「私先行っちゃうよ?」
基本的に一緒に入るのでそう言えば、わかった、と裕太。
こうして少しのモヤモヤを抱えながら、一足先に浴室に向かった。
全身を洗い流して湯船に浸かって、だいぶ温まってきた頃にやっと裕太がやって来た。
裕「お待たせー」
「うん」
裕太は特にAを気にする様子はなく、早速髪の毛にお湯をかけてシャンプーをする。
特に会話もなく、お互いそれぞれの時間を過ごしているように見えた。
「暑いから先上がるね?」
裕太がシャンプーを終えた頃 、Aは暑さの限界がきたので、先に上がろうと立ち上がる。
裕「え、俺今来たのに」
「だってもう随分浸かったし、のぼせちゃうよ」
裕「えー、全然一緒に入ってへんやん」
「自分が携帯ばっかり触ってたんでしょ?」
裕「そうやけどー...」
不服そうな裕太を横目に、Aは何も言わずに浴室を後にした。
15分ほど経つと、裕太も追いかけるようにリビングに戻ってきた。
「おかえり」
裕「ただいま」
いつもしているようにAの隣に座ると、髪の毛を拭いて欲しいと言わんばかりに、タオルを渡してAに背を向ける。
「たまには自分でしたらいいのに(笑)」
裕「いいから」
「はいはい」
Aはいつものようにタオルドライしてあげると、タオルを裕太に返す。
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____一_______カ____→←___________________
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べてぃ。(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!ほのぼのした感じが伝わって嬉しいです(^^)今後とも、よろしくお願いします! (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - BBZ-rarayupiさん» 返信遅くなりました。そう行ってくださると嬉しいです(^^)今後ともよろしくお願いします。 (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ほのぼのてした感じで、可愛いカッコいい裕太くん最高でした!めっちゃきゅんきゅんしました〜! (2020年1月20日 22時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - もう、きゅんきゅんしすぎてじあわぜ〜です笑 (2019年12月29日 23時) (レス) id: 44d872b8cc (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - こことさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(^^) (2019年12月20日 3時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年11月6日 0時