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fk「あべちゃん、」
ab「んー？…ぇ、」
fk「あべちゃんが好きです。俺と付き合ってください」
12本のピンクの薔薇を、阿部ちゃんに差し出す。
阿部ちゃんの潤んだ瞳が、薔薇を捉えてゆらゆらと揺れる。
やべ、平気そうな顔してるけど、手汗かいてきた。
ab「ふっか、」
fk「…うん、」
ab「俺で、いいの、？」
fk「そうだよ。あべちゃんがいいの、俺は」
阿部ちゃんの瞳を、じっと見つめる。
おねがい。逸らさないで。
ab「俺も、…っ俺も、ふっかが好き、っ」
ぽろん、と阿部ちゃんの瞳から涙が一粒流れ落ちて。
花束がつぶれないように、阿部ちゃんを抱きしめる。
まわした腕をつよくしたのは阿部ちゃんで。
ぐす、と鼻を啜る音が聞こえた。
fk「これ、受け取ってくれる、？」
少しだけ隙間をつくって花束を差し出すと、何度も小さく首を縦に振ってから、受け取ってくれた。
fk「、っはぁー、緊張した、」
ab「、そんな素振り、全然感じなかった」
fk「よかった、まじでよかった、ふられるかと思ったわ」
ab「ありがとう花束、…すごく、嬉しい」
fk「舘さんが教えてくれたんだ、12本の薔薇は“告白”を意味してるんだよって」
ab「うん、それは俺も知ってたから、…びっくりしたよ、」
fk「色は自分で調べたんだ。ピンクって“恋の誓い”って意味があるんだって」
ab「そうなんだ、それは、知らなかった、」
fk「だから、」
阿部ちゃんの手を、花束ごと包み込む。
fk「俺は阿部ちゃんを幸せにするって、ここに誓うよ」
ab「…ふっか、」
阿部ちゃんの顔が近づいてきてすっと目を閉じると、一瞬だけ、唇が重なった。
ab「…だいすき、」
fk「俺もだよ、あべちゃん」
それから俺たちは、東京の夜景をバックに何度も口づけを交わした。
…俺たちの間にある薔薇の香りに、酔いしれるように。
fin.
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作者名：微.
| 作成日時：2020年8月9日 21時
