舞台3 ページ3
無事に幕を終えることが出来た。
神崎Aは共演者にお疲れ様でしたと言って笑い撮影大会が始まる。
共演者と一緒に撮った自撮りを確認していると、ドアのノック音が響き監督と共に知らない男性が2人入ってくる。
どうやら偉い人の様だと勝手に推測し、Aは営業用の笑顔を貼り付け挨拶に応じる。
当たり障りのない言葉のキャッチボールを繰り返せば、Aはそそくさとその場から離れる。
衣装のままなのであまり遠くまでは行けないが、しばらく廊下を歩くと見慣れた背中があった。
「友香里!」
「あーー!A!!見てたで〜めっちゃ綺麗やったなぁ…なぁクーちゃん!」
「せやなぁ、もの凄い演技も上手やったしなぁ」
「えぇ、見に来てくれてありがとう…蔵ノ介さんもいつもありがとうございます、あっお花!アレほんとびっくりした」
古くからの友人でよきライバルである白石友香里は関西人特有の饒舌でAを褒めまくり、一緒に見に来てくれていた彼女の兄、白石蔵ノ介も友香里に同調して褒めてくれた。
そして白石兄妹はフラワースタンドまで贈ってくれたのだった。
劇場オープン記念にとたくさんの企業が跡部財閥に花を並べている中で一つだけA宛の花が置かれていて少し恥ずかしかったのだが、有難く写真に収め、一番綺麗なクロッカスを一輪だけ抜いて帰ることにした。
紫のクロッカス:愛の後悔
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやめ | 作成日時:2019年1月15日 18時