24枚目 トイレってノックしなくね ページ24
明日エーミールに教える教材(と呼べる代物ではない)も出来た。寝るか。
今日はうまく寝付ければいいが。最近五回に一回はうまく寝れる。今日も五分の一の確率になることを祈ろう。何、星5を出すより容易なことだ。
その前にシャワー、と腰を上げると
トントン
ここはトイレじゃないんだが。
そこそこ夜更けに誰だろうか。はい、と返事をすると
「ああ、まだ起きてたん？俺や俺」
『チーノ以外にも詐欺師いるのか』
「いやちゃうわ！僕！鬱！」
関西人バリのツッコミ。夜なのに元気だなお前。
「お暇？いいお酒持ってきたんやけど」
『入っていいよ』
というか入室を断る権利が私にはない。鬱は扉をあけて中に入る。お前夜なのにスーツ着てんの。変人か？
「こんばんわ」
『何か用』
「夜眠れなくてな、この前あったとき全然話せなかったやん？やから、お話しよう思って」
『はぁ』
友好的なのだろうか。ゾムのように襲いかかりはしない。ショッピのような警戒心も、チーノのように不自然な朗らかさもない。
まるで何もない。みたいな。
『・・開けといて、いまからシャワーだから』
「お邪魔した？」
『五分でおわす』
「ごゆっくり」
さっと身体を洗い流して寝間着に着替え部屋に戻る。鬱はベッド横のサイドテーブルに腰掛け、グラスにワインを入れていた。
「おかえり」
『ただいま』
髪を軽く拭いて、私はベットに座る。
「どーぞ」
『どうも』
グラスを取り、くるりと回して色を見る。匂いをかぐ。ふむ、美味しそう。一口飲めば口当たりの良い高級感あふれる味が広がる。
マジでうまいやつじゃん。接待でしか飲んだことねぇよこんなの。
「・・・」
『何見てんだ金取るぞ』
「唐突な輩。いや、なんの疑いもなく飲んだなぁって」
飲んでいいものだろだって。もうちょっと味わえってか？
「俺がノックしたときも、全然部屋開けんかったろ。あれ扉の向こうを警戒してたから？」
『私の部屋に来るのは使用人しかいない。
返事をしたら開けるはずだし、手が塞がっていたらノックが出来ないだろ。だから不審に思った』
「なのにワインは何の疑いもなく飲むんや。なんか入ってるかもしれんのに」
『致死量の毒は入ってないだろ。グルッペンから殺害の発令はない筈だし』
あったら今頃お酒を飲む前に殺されてる。
『毒以外入ってるとしたら』
くるりとワインを傾ける
25枚目 アルコールは適度がよろしい→←23枚目 紅茶が冷める時
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこ娘(プロフ) - うあ〜〜とても面白いです泣いてしまう…正論しか述べない主人公とても好感が持てます、こんな大人になりたかった……主人公を攫ったのが日常組だとわかった時のなんとも言えない笑みの溢れる感覚、素晴らしかったです(マニアック)続きも楽しく読ませていただきます！ (2021年1月18日 2時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 会社の説明草 (2020年10月10日 18時) (レス) id: f170f9c90f (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ。(プロフ) - まじむりですすきです (2020年8月26日 16時) (レス) id: 060862f232 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。＠str48＆変人系カップル(プロフ) - めっちゃ...好きです。 (2020年8月13日 3時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - 続き待ってます！無理しない程度に頑張ってください！ (2020年7月22日 0時) (レス) id: 93c05af962 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧月
| 作成日時：2020年3月26日 12時
