23枚目 紅茶が冷める時 ページ23
「キョウカさんは働きすぎです。聞きましたよ、トントンさんと同じくらい顔色が酷かったと」
『なぁあいつまじで休ませようぜ』
日に日に目の隈が深くなってるんだが。
豚からパンダにシフトチェンジすんのかってくらい。
「一つ例をあげましょう。極端な例になりますが、トントンさんの仕事は彼でなくてもできます。」
『エーミールでも？』
「えぇ。」
即答で頷き紅茶を啜る。絵になるなお前。
「ただ、トントンさんがやったほうが「効率的」だからという単純な理由があるので」
『・・おめー案外冷たいな？』
飲んでる紅茶を今すぐアイスにできるレベルで。
「勿論他にも理由はありますし、私は彼のように仕事は捌けません。それに私自身にも仕事がございます」
『おん』
「だからやらない。キョウカさんの仕事にも当てはまるのでは？」
まぁ言われればそのとおりで、つーか大半はそうだろう。
「出来ないのではありません。やらないだけです。」
『真理みたいなこというな』
「私見ですので、あまり深く考えないでください」
照れ臭く微笑み、彼は紅茶を飲む。
『・・私がいなくても、いいのかぁ』
「私はキョウカさんがいないと駄目ですかね」
『へ』
「え」
急に口説いてくるじゃんびびった。
「え、あ！違います！そういう意味やないです！いえキョウカさんは魅力的な女性ではありますが」
『落ち着け、何も言ってないから』
それ以上興奮すると紅茶溢れちゃうから。
「キョウカさんがいてくれたおかげで、別の国の言語を知ることができました。それに、文化も。」
『異世界人だからねぇ』
「それだけじゃありませんよ。こうやって話すのも楽しい。いてくださるだけで、空気が和らぎます」
なぁやっぱ口説いてる？
「向こうの世界では分かりませんが、こっちの世界で貴女はなくてはならない存在です。」
『さっきまで人間は換えがきくと言ってた口とは思えねぇな』
「こちらにも換えの聞かない方はいますよ。グルッペンさんが良い例です」
『あぁ』
「あの方のカリスマは素晴らしい。先程トントンさんを例に上げてしまいましたが、あの人だっていてもらわなければ困る。」
有能そうだもんな。
「貴女が本当に帰りたいと言うなら止めません。
が、引き止めたいと思ってる人間がここに一人いることをお忘れなく」
ミルク色の瞳を細め、彼はゆっくり頭を下げる。
『・・そう言ってもらえるのは、嬉しいかな』
少しだけ素直になると、エーミールは顔を赤らめる。からかい甲斐があるなお前。
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ねこ娘(プロフ) - うあ〜〜とても面白いです泣いてしまう…正論しか述べない主人公とても好感が持てます、こんな大人になりたかった……主人公を攫ったのが日常組だとわかった時のなんとも言えない笑みの溢れる感覚、素晴らしかったです(マニアック)続きも楽しく読ませていただきます！ (2021年1月18日 2時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 会社の説明草 (2020年10月10日 18時) (レス) id: f170f9c90f (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ。(プロフ) - まじむりですすきです (2020年8月26日 16時) (レス) id: 060862f232 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。＠str48＆変人系カップル(プロフ) - めっちゃ...好きです。 (2020年8月13日 3時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - 続き待ってます！無理しない程度に頑張ってください！ (2020年7月22日 0時) (レス) id: 93c05af962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年3月26日 12時
