53話目 ページ3
誰もいないし誰も通らなそうな教室を発見し、腰を下ろす。
『なぁなぁ』
kn「おん？」
rb「なんや」
『お前らにとって夢見って何？』
kn「敵」
rb「悪」
聞き方間違えたわ。
『あいつらにとって、夢見ってどういう存在？』
kn「あぁそういうことか。なんやろ」
rb「おひめさんかな。一番近い表現は」
kn「庇護すべき対象やな」
サークルの姫みたいな感じか。なるほど。ちょっと前のトントンやひとらんらんを見ればなんとなく納得行く。
kn「あいつからな悪意とか敵意、全然見えんのよ」
『嘘だ』
rb「これが嘘じゃないんやから怖いよな。現世は知らんが、前世では感じたことはなかったなぁ」
いやいやいや。むしろ怖いだろここまで生きてきて敵意も悪意も持ち合わせてない人間。
隠すのがうまいのか、本人がそれを敵意とか悪意とかと認識してないのか。どちらにせよ頭おかしいな。
『悪意も敵意も見えない。赤ん坊で可愛らしいから守ってあげたくなる。はっ、理想的なヒロインだな』
人を蹴落とすって時点で性根は腐ってるんだろうが。
〈ばっかじゃないの〉
『・・・あー』
やべ、嫌なこと思い出した。
rb「キョウカさん？気分悪いか？」
首を振り、水筒の蓋を開ける。お茶を流し込み、喉を潤す。
『時間もないし、ちゃっちゃと話進めよう』
kn「今後の方針決めはるん？」
『そう。』
私の目論見が外れてなければ、この策はうまくいくと思う。
『あいつの本性を暴きたい』
rb「策はあるんか」
『ある、つうか簡単だよ』
kn「？」
『ていうか見てればなんとなくわかる』
私のかんと、無意識的に混ざった彼女の経験が導き出す答えは
『多分な、あいつお前らの中で一番じゃないと気がすまないんじゃないか』
承認欲求の塊と言っても過言ではない。だから前世では唯一の女幹部だった私を消した。そして今回は、ってことだ。
『ま、つーことで』
お弁当を食べおわし、ご馳走様の合図をする。手を合わせて、言葉を言って、そして
『嫌がらせしたいと思います』
rb「んふ、わっるい顔してんで」
『おめーもな。』
コネシマもニヤニヤ笑ってるしな。さてはお前ら、性格が良いな？
rb「当たり前やろ。俺が何年待ったと思ってんの」
『またせたな』
kn「具体的には何するん」
『あいつの嫌がること、つーことであいつらを引き離そうかって思ってる』
めっちゃおもろいやんとコネシマが爆笑する。これで笑うんだから、前世の私が二人を選んだ理由がなんとなくわかるわ。
誤字訂正しました！教えてくださった方ありがとうございます
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年1月24日 16時
