宣誓。陰キャを極めようと思います。

32話目 ページ32

二人でジャージに着替えて戻る。今度は三人だけでなく、クラスメイトからの視線も痛い。

トントンは気にしないのか、私の隣の席、夢見に声をかける。

tn「すまん、次の席代わってくれるか？」
「え、なんで？」
tn「こいつに教科書見せてやりたいん」

こいつって言って人に指差すのどうかと思う。

「あ、じゃあ私が見せようか？トントン目が悪いから、前のほうが」
『うっわいやだ。帰るわ』
tn「おい待て」

長い腕が私の襟首をつかむ。やめて前に進むと首閉まる。

tn「お前は少しオブラートに包め。すまんな夢見、こういう事だから代わってくれるか」
「うん、そういうことならいいよ」

どうぞ、と夢見は席を引き、私に大丈夫だったと声をかけて前に座る。

tn「ルーズリーフ何枚使う？」
『は？ルーズリーフなんて使うの？』
tn「は？」
『まさかノート取ってるの？・・天才？』
tn「当たり前だよなぁ」
『童貞のくせに』
tn「なぁいまそれ関係ないやん」



授業中



『なぁ、なんでこの答えこれになるん』
tn「それはな、ここに書いてあるからやで」

『は？読めねえよなにこれ』
tn「日本語」
『古語は日本じゃない』
tn「日本で使われてんだよなぁ」

『百人一首なら諳んじられるんだが』
tn「なんでやねん」
『有能』
tn「逆に無能」

『は？辛辣すぎる覚えとけよお前』
tn「何するつもりなん」
『歌詠むぞ』
tn「その脅しなに」
『怖いだろ』

tn「具体的には何するん」
『ひたすら百人一首を詠み上げる。』
tn「俺が悪かったからそれはやめてくれ。怖い」

『で、これってなんだっけ』
tn「もしかしてループ入ってる？」
『無限ループって怖いよな』


「そこ、うるさい」


「『すいません』」

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