一曲目 Shall We Dance？（gr） ページ5
軍パロ
朝の時間は騒がしい幹部の皆様もおらず、廊下にワゴンの音だけが響く。
同僚であるメイドは朝からぱたぱたと音を立てて走り去るので、静かにと注意をしてまたワゴンを動かす。
突き当りの扉の前でワゴンの音を止める。小さく息を吐き、コンコン、と2度扉を震わせる。
『総統』
声をかけるも返事がない。そういえば昨日、書類が終わらないと書記長に催促されていたことを思い出す。が、彼の予定は朝から詰まっているので寝坊は許さない。
『朝です。起きてください』
強めに扉を叩くが返事がない。ポケットからマスターキーを取り出して扉に差し込む。ゆっくりと鍵穴をまわしてワゴンごと中に入る。
部屋は暗い。
カーテンを開けると、ベットが唸り声を上げる。
gr「・・いま、なんじ・・」
いつもより低く舌っ足らずな声を上げる。時間を教えてあげると、嫌そうに体を起こす。
『おはようございます』
gr「・・ん」
未だに夢の中なのか、壁に背中を預けぼーっと一点を見ている。
『紅茶、何がよろしいですか？』
gr「・・ダージリン」
ワゴンの上にある紅茶の道具を使い淡々と準備していくと、肩に重みが。
振り返ればそこには長いまつげと高い鼻。セット前の金の絹糸が頬に当たってくすぐったい。
『邪魔です』
gr「辛辣だな」
くぐもった笑い声が脳に響く。
『早く準備しないと、書記長に怒られますよ』
gr「あぁ、それは困るな」
彼は私から離れると寝間着を脱ぐ。あの、ここ一応バスルームあるんですが。そちらで着替えないんですかね。
『・・それ、私以外のメイドが起こしに来たときはやらないでくださいね』
gr「なんだ嫉妬か」
朝から楽しそうで何よりだが違います。
『使えなくなるメイドが一人いるだけでも業務に支障をきたすので。』
gr「はは、手厳しい」
彼の体は鍛えてるわけでもないのに、筋肉がしっかりとついている。ひょろりと伸びた手足は白く、彫刻のような輝きを放つ。
『出来ましたよ』
gr「お！」
彼は身支度を一旦やめベッドに座る。私はワゴンを彼の近くまで運び、カップに紅茶を注ぐ。
『どうぞ』
gr「どうも」
甘党な彼は私の作る紅茶だけ角砂糖を入れない。
『美味しいですか？』
gr「勿論」
『砂糖、入れないのですか？』
gr「お前の愛が入ってるだろう。もう甘い」
はずかしげもなく良く言えるものだ。感心するよ。
gr「自分で作る紅茶、飲まないのか？」
『貴方のを作るので手一杯ですよ』
そう答えると、彼はカップをワゴンに起き
gr「飲むか？」
『え』
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まうるもち - 好きです....文章が神.....いつの間にか読み終えていた不思議 (2019年10月7日 23時) (
レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 紫龍さん» 誤字ですごめんなさい！ご指摘ありがとうございます！ (2019年10月3日 6時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 碧月さん» 失礼します…knさんの2条目『後者裏』って『校舎裏』の事ですか？誤字とかじゃなかったらすみません！！ (2019年10月2日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - アルムさん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年9月29日 9時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - コメント失礼します！碧月さんの作った小説はやっぱ神ですね！途中で気づきましたがemさんの小説の六限目の２０行目の「…そらは愛おしさへと…」は「…それは愛おしさへと…」じゃないでしょうか？間違ってたらすみません！更新楽しみにしています。 (2019年9月29日 8時) (レス) id: 9866a4ca3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月17日 6時
