19件目 救われたと思ってるから ページ20
何が起こったか
何を起こしたのか
それを知るために、ヘラが合図を受けたところまで時間を巻き戻そう。
「いい男さん」
gr「名前になってる」
「キョウカから合図出たよ。」
グルッペンは休憩所から腰を上げてヘラのあとに続く。
gr「・・・」
「ねぇ、いい男さん」
gr「何かな」
「キョウカのこと、宜しくね」
前を歩いてる彼女は、消え入りそうな声を出す。違和感を覚え、嫌な予感を感じたグルッペンは立ち止まる。
gr「・・なにか、するつもりなのか」
「気づいちゃったぁ？」
同じく止まり、ヘラは懐から一枚の紙を取り出す。それは昼頃、彼女が男の子に渡していた紙だ。
「読む？」
gr「あ、あぁ・・」
紙にはこう書かれていた。白い紙に黒い文字が一文だけ。そう、一言だけ。
［騒いで死んでね］
gr「な・・っ！？」
命を捨てろと、しかも条件付きで。
なんだこれは、彼は思う。
「だからここでバイバイ」
gr「待て！どういうことだ！」
引き留めようと彼女の腕をつかむ。あまりに細く、折れてしまいそうな腕だ。袖下から見える皮膚には痛々しい注射痕や傷跡が顔をだす。
「この腕を見て、顔をしかめなかったのはあなたで二人目」
gr「なに・・？」
彼女は微笑む。一番の笑顔で。モモのような、甘く淡い笑顔だ。
「初めての人間のほうが私にとっては大切なの。救われたの。報われたの」
間延びした声ではない。きちんと、彼女の、彼女自身の言葉で話している。
根本はもう、決まっている。
「ねぇ、いい男さん」
gr「頼む、やめろ。自分を犠牲にするな」
「あの子をよろしくね。」
gr「何故だ。なんで・・」
「私が決めたことだから。」
噛み合ってないように見えて、彼らの会話は奇妙に繋がっている。
ヘラはグルッペンの手を振り払う。彼女の後ろから光が溢れ、彼女自身は逆光に包まれてしまう。
「あの子はね、太陽のように明るい子。みんなの導となる女の子。平等に私達を見てくれる子。でも、知ってる？」
袖から見えるのは傷だけではなく、光る鋭いもの。
「月には星がたくさんいるけど、太陽は、晴れれば晴れるほど、独りになるんだ」
あの子を独りにさせないで
口がそう動いて、彼女は人混みに消えていく。立っていた場所には、紙が一枚おいてある。
なにやら地図の場所が書かれていて、合流場所だろうと冷静に判断する。
だが
gr「・・・」
手の中の紙はくしゃくしゃに丸まり、金切り声に後押しされて歩みを始める
モモの花言葉［私はあなたの虜］
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ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
