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クリスマスが近付き花の注文が増えた。
かみちゃん曰くプロポーズに使う人が多いらしくて、花の注文に追われてた。
急な受注数にリボンも無くなって来たから大ちゃんと一緒にリボンを買いに向かう。雑貨屋さんに電話をして幾らか多めに買う。ピンクに黄色に、青色に。
花束はリボンも要だと思う。こう、パッと綺麗に花が目立つのも大事やけど、花に似合うリボンもやっぱり大切にしないと。
『ねえ大ちゃん、クレープ食べたい』
「あー美味しそうやな」
『ちょっと寄り道して行こ』
「かみちゃんに怒られるで?」
『ナイショにしよ』
お目当てのリボンはもう買ったし、大ちゃんと出掛ける事無かったからこうして何処か寄り道をしてみるのもアリ
大ちゃんはあまり甘いもの得意やないから、サラダ系にして私は苺チョコにした。
「Aちゃんって甘いもん食べる時、ほんっまに美味しそうに食べるよな」
『美味しいもん』
「帰り、ドーナツ買って帰ろうや。みんな喜ぶやろ?」
『絶対喜ぶと思う!私なに食べようかな〜』
「食い意地スゴ、笑」
大ちゃんは笑いながらも「何にする?」と、スマホの画面でメニューを見せてくれる。お兄ちゃんみたいに頼り甲斐があるな〜なんて、
お目当てのドーナツも買って、帰ってた途中
家の近くに見たくもない姿が目に入った。
私の足が止まったから大ちゃんは「どうしたん?」って心配してくれるけど、その声に彼が気付く。大ちゃんの後ろに見える近付いてくる人
思わず大ちゃんの洋服を掴めばその上から手が重なる。
「A久しぶり」
『…………話しかけてこんといて、』
声も顔も、仕草さえも全部忘れたのに。
目の前に居るのは変わりもしない彼のままで、
「そっちはどう?俺んとこ産まれたで」
『おめでとう』
「…そんだけ?もっとお祝いしてくれてもええんちゃう?」
下卑た笑みが、気持ち悪くて仕方なかった。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時