#12 ページ14
「じゃあ俺が立候補して良い?」
「え、ごめんタイプじゃない」
「だー!」
片手で顔を覆いショックを受けたかの様なオーバーリアクション取ってるけど、指の隙間から口元が笑ってるのが見えるから無視するに限る
お弁当を食べ終わり片付けていたら、そういえばさっきから妙に静かだなと気付き視線を下に向ければ人様の足の上で寝息を立てていた
まぁ風が心地良いから寝てしまうのも無理ない
何なら私が来る前もお昼寝しようとしてたのかもしれない
それなら邪魔したかなと思ったけど堂々と寝てるなら問題無いみたい
「⋯」
気持ち良さそうに寝てる顔を見ていたら、食後なのもあるしこの天気だからか、つられて眠くなる
起こさない様に頭を持ちずらして足を抜いて地面にゆっくりと置けば私もその場で仰向けに横になる
確かにこれはすぐ寝れそう⋯そう思ってると不意に右肩に手を置かれたと認識すればグイッと引き寄せられる
「ちょっ!狸寝入りしてたわけ!?」
私の問いかけに返事は無くそれでも尚、狸寝入りを決め込んでる龍星くんの左足が私の足に巻きつき、左腕も胸下から私の右腕ごと抱き締めるからまるで抱き枕の様に扱われる
押し返そうにも腕が塞がってるからどうしようも出来なくて暫く考えて、まぁいいか⋯と、諦め目を瞑れば再び眠気に襲われ心地良い
このまま五限目出なくも良いかなーと考えていたら何やらドタドタと誰かが屋上の階段を登ってる音がする
圭介だろうか?って考えたけど圭介は一緒にお昼食べるって日は必ず空メしてくるけど、携帯には着信入ってないから違うだろう
況してや仮に圭介だったとしても走って来ないと思う
そしてその足音が屋上の扉を開けた音がする
急いでるみたいだし誰なんだろうと確認しようにも龍星くんに抱きつかれてしまって確認することは出来ない
ここで、誰?と声掛けたところで知らない人だったら私が気まずい
何が気まずいって寝てる男子生徒に抱きつかれて動けないとは思わないだろうから声の主を確認しにこの梯子を登って広がる光景を見られる事に気まずい
まぁよくよく考えたら誰でも良いかという答えに至り黙って目を瞑る事にした
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作者名:たまりんこ | 作成日時:2023年3月5日 2時