#258 ページ17
「何言ってんだ？オレが幸せそうに見えねぇって言いてぇのかよ」
「見えないよ！！⋯万次郎が苦しんでたら助けたいって思うのはダメなの？万次郎の全部、受け止め⋯させてよ⋯っ」
今までの想いに気持ちが追い付かなくて涙で溢れ出て万次郎の親指を伝っていく
「一人で生きられる程私も万次郎も強くないんだよ、隣に居てよ⋯」
「⋯⋯未来のAちゃんは十二年間ずっとアンタを探してたよ」
「！ タケミっち⋯！」
タケミっちがフラつきながらも立ち上がり万次郎を視界に捉えていた
「オレは未来のアンタと約束した場地君と約束した⋯ドラケン君と約束した⋯だからよぉ⋯絶ッ対ェ負けられねぇんだよ！！！」
万次郎に向かって走るタケミっちに万次郎は私から離れると迎え撃つかの様に足蹴りし再び蹴り飛ばしてしまう
「タケミっち⋯っ」
何度も立ち上がり何度も万次郎に果敢に向かって走るタケミっちだが万次郎を触れる事さえ出来ずにまた怪我が増えていく
「鳥籠で守られるのは捨てたんでしょ私⋯⋯皆の覚悟を無駄にしたくないし未来の私が幸せだと思える未来にしてやる」
私の人生色んな事があった
今だって色んな事の一部を体験しててそれを未来で笑って話せる様にする為にも幸せの道を自分で創り上げないと辿り着かない
未来の私がまた泣いてしまったらあまりにも可哀想でしょ。
「ふぅー⋯⋯万次郎！！私との続きしよう」
ボロボロのタケミっちを庇い万次郎の目を見つめる
闇に堕ちた目は更に深く黒くなっていた
「⋯一緒だぞ」
「やれる事はやるのみだから！！」
「ダメだ⋯⋯っ⋯Aちゃん！！」
「大丈夫だよタケミっち⋯未来の二人がどんな会話したのか知らないけど私だって助けたい気持ちは未来でも今も同じだから」
矛盾ばっかな世界に生きて希望持って絶望してその繰り返しを私達は生きて人生を終わらせる
だけどさ、いつか過去と未来を振り返って思い出を残して死ぬなら⋯どうせなら最高なシーンで終わらせたいじゃない
今を生きてる私達にとってこの出来事も人生のほんの一部
その一部で踠いて足掻いて必死に前を進んでる
⋯だから万次郎には悲しい思い出じゃなく幸せだと思える思い出のページを埋め尽くして欲しい
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2023年1月24日 11時
