#53 ページ7
話を聞き終わり帰ろうと二人が出口へ向かう姿を見て
もう一度長内へ向き直る
「長内、あんたがやってきた事はパーちんから聞いた
不良の道を外れた人間は次は悪に手を染める
女として私はあんたを許さない⋯どんな人でも大切な家族や恋人が居る事は忘れないで。真っ当に生きなさいよ⋯じゃ、そういう事だから仕事中ごめんね、じゃあね」
特に返事も聞かず言いたい事だけ言い逃げてきた
本当は殴ってボコボコにしたかったよ
未だ心の傷が深いであろうお見舞いに行った時に見たあの子の姿を思い浮かべてはやるせない気持ちになる⋯。
出口で待っててくれた二人の元へ行き先ほどの話の続きをする
「これで一つ分かった。芭流覇羅のトップだ
トップ不在の謎多きチーム、ついた異名が”首のない天使”
誰も知らないそのトップは⋯稀咲鉄太だ！」
「え！？」
「今、稀咲は東卍にいるだから玉座は空席なんだよ」
千冬が言いたい事も分かる⋯ただどこかスッキリしないのは何故？
稀咲はわざわざ東卍に入りドラケンが務めてるNo.2を狙うのだろうか
考えても分からないこのモヤモヤを一度振り払う
タケミっちはこれから調べものがあるからと何処かへ行ってしまった
「千冬、この後どうする？」
「んーファミレスでも行きます？」
「お、良いねお腹空いたし行こっか」
提案に賛成し千冬の左手首を掴んで歩こうとすれば歩かない千冬に不思議に思い振り向けば、掴んでない方の右手で私の右手首を掴み離されたと思ったら千冬の左手が私の右手を絡め力強く握られた
「⋯わぁ」
何だか小っ恥ずかしく感じてしまい情けない言葉が出てしまった⋯。
「雨も止んだしこの方が歩きやすいじゃないスか」
余計歩きにくいんじゃ⋯と思ったけど目を輝かせる千冬にそうだねと言い握り返す
「⋯早く圭介に東卍に、壱番隊に入ったんだよって伝えたいな」
「ッス！」
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2022年7月15日 17時
