いつかのあの日にII (ページ22)

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「これがその⋯結成記念のお守りだ
東卍を創ったのは俺じゃない⋯場地だ⋯”誰かが傷ついたらみんなで守る” ”一人一人がみんなを守るチームにしたい”そうやってできたチームだったな」

「場地君はずっと一人で戦ってたんスね⋯その日の約束を守る為に⋯」

「ゴメンな⋯場地」

圭介に謝る万次郎の姿を見上げて再び圭介を見つめる

「圭介の温もりも優しさも思い出も⋯全部忘れないからね」

頬に手を添え、額へ唇を落とす⋯目から落ちた涙は圭介の目から頬へと流れ落ちていきまるで圭介も泣いてるかの様に見えた⋯。

遠くの方からパトカーと救急車のサイレンが聞こえた
各々が解散していき東卍もドラケンの一声でその場から去っていくように足音が遠くなる

「圭介⋯離れたくない⋯っ⋯勝手に逝かないでよ⋯」

「Aちゃん⋯俺らも行かないと⋯」

泣き疲れてしまったのか私の声は思った以上に小さかった
圭介と離れたくなかった⋯千冬に無理矢理立たされ手を引っ張ってくれた
千冬だって悔しいはずだ⋯なのに今はかける言葉が無かった⋯。

「俺は場地と残る⋯みんな行ってくれ⋯俺の起こした事だ自分でケジメをつけたい」

「わかった」

「マイキー⋯」

一虎に背を向けてる万次郎に紡ぐ言葉は覚悟を決めたものだった

「許してくれなんて言えねぇ真一郎君の事も場地の事も一生背負って生きていく」

誠意を持って頭を下げる一虎の姿を尻目にこの場を去る

どうしてこうなってしまったのだろう
たった一つの亀裂が大きく裂けてしまったらどう修復出来るのかなんて私には分からない
だけど一人一人が同じ気持ちならそれは出来るのかもしれない

⋯ただ、大切なものを奪う不良の世界なんて大っ嫌いだ。

2005年10月31日
東京卍會151人vs芭流覇羅300人
この類を見ない大抗争は東京卍會の勝利
そして死者1名逮捕者1名を出すという悲惨な結果に終わった
この抗争が後に”血のハロウィン”と呼ばれる。