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「A!朝だぞ、起きろ!」
雄三の怒鳴り声が家中に響き、私は目を覚ました。
「んん…雄三、うるさい…」
「あ?起こしてやってんだろうが!早く起きろ、遅刻するぞ」
「ん…ふぁあ…」
しぶしぶ起き上がり、洗面所で身支度済ませ、リビングに行き、朝ご飯を食べる。
「いただきます。ん…」
「なぁ、A」
「?」
「今日、学校終わりにここに来い」
「…え?」
渡された紙には、O高からMANKAIカンパニーの寮までの簡単な地図。
「ここで、稽古の指導してやってんだ。今日の放課後、ちょっと見に来いよ」
「なんで、見に行く必要があるの。…お父さんと雄三が元いた劇団だから?」
「まぁそれもあるが、今日、お前の両親の命日だろ?墓参りはこの前行っちまったしよ、お前の父さんがどんな所で役者やってたか、知っとくのもありだろ?それに、お前と同い年くらいの奴らがいい演劇してるぜ。」
「…分かった」
別に、同い年が演劇やってるのはどうでもよかった。でも、私は父や母のことになると弱い。
…体は大きくなっても、心はだいぶ子どもなのかもしれない。
「じゃ、学校頑張ってこいよ。あとでな」
雄三が嬉しそうに言った、私が行くと言ったからだろう。
「うん、行ってきます」
・
・
学校に着くと、小さな嫌がらせを今日もされていた。上履きの靴底の上に画鋲、なんて分かりやすい…
私は、画鋲を取り、上履きを履いて、教室に向かった。
朝にある小さな嫌がらせ以外は、何もしてこない。
それもまた不思議なのだが、多分先生などにバレないようにするためだろう。
と、その時の私は思っていた。
今だけ、何もしてこないことに気づいていなかった。
教室に着いて、席に座る。
前に座っている、派手な髪色した七尾太一は、よく話しかけてくる。
「Aちゃん!おはよっス!」
「おはよ」
流石に無視するのはいけないと思い、社交辞令で挨拶すると、毎度嬉しそうな顔をする。
…まさか、放課後も会うなんてこの時は思ってなかった。
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mutsuTrb(プロフ) - 更新できず、申し訳ありません。忙しい日々が続いており、更新がとても不定期になりますが、今後もよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年12月4日 0時) (レス) id: 2878d2101b (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(プロフ) - mutsuTrbさん» いえいえ! ふむふむ、続き楽しみに待ってます♪そして応援しています!……夢主負けるな!(夢主にも応援w) (2018年7月30日 5時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
mutsuTrb(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花さん» ありがとうございます!更新頑張ります!夢主ちゃんもこれからというところなので、楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2018年7月29日 9時) (レス) id: 2878d2101b (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(プロフ) - あ、続き楽しみにしてます(下のアカウントと同一人物です) (2018年7月29日 7時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - まあ、夢主ならエスカレートしても芝居とかでそいつら潰すか、カンパニーのみんなも協力してくれると思う。きっと心強い味方もできる事だし、大丈夫だと信じてる。 (2018年7月29日 7時) (レス) id: bd08756414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばな奈 x他1人 | 作成日時:2018年6月29日 22時