【赤○】一目惚れラバーズ【男主】

一目惚れ 05 ページ7

成績は中の上、スポーツは人並みに出来るぐらいの俺は、(自分で言うのもあれだけど)少しばかり容姿が良かったせいか恋愛に不足は無かった。

手頃に仲良くなった女の子と付き合い、別れて、また違う女の子と付き合う。
それの繰り返し。派手めな女の子から大人しそうな子まで幅広く付き合ってきた。それで、フリーの期間が短いのは単に、告白されて特に断る理由もないからと言う理由だけだけど。

しかし、どの子も長続きしないのは、俺があまりそういった事に積極的ではなかったせいだろう。
よく女の子に「Aくんって見た目と違うんだね」って言われるけどそんなガツガツして見えるかな？ ……まぁ、去る者は追わない主義。「別れたい」って言うなら、「うん、じゃあね」で終わり。

今までの恋愛なんて、「こんなもんか」ぐらいにしか思っていなかった。

だから、俺はこれからどうするかを悩んでいる。どうするかとは、赤司と仲良くなるためのプロセス。同じ学年だったのにも関わらず、全くと言っていいほど赤司を知らなかったのだ今まで何してたんだって話。これから仲良くなるなんて骨がかかりそうだし、何かのキッカケがあればなぁ……


「つ、付き合ってください！」


俺が考えあぐねながら人気のない廊下を歩いていると、そんな声が聞こえてきた。
今が放課後だという事もあり、生徒達はいない。空っぽの教室でどうやら告白は行なわれているようだ。
聞き覚えのない声だけど、告白をしている方は女の子のようで。心の中で軽く応援すると、俺には関係のない事だから早々に立ち去ろうとした、しかし。


「すまない。気持ちは嬉しいけど……」


男の方に聞き覚えがあり、足を止める。確認のため窓の隙間から覗くと、告白されている方は、なんと赤司だった。

前言撤回。頑張れって言ったのナシね。

女の子には悪いんだど、断ってくれてる事にホッとする。


「そんなっ……」


安心した俺とは裏腹に、赤司の返事に泣き出す女の子。多分、女の子の方は振られるのは覚悟してたんだろうけど、いざ振られるとなるとやっぱり傷付くのだろう。赤司の方は困った顔をして立ち尽くしている。そんな時は、すぐに去ればいいのに……仕方ないな。

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