一目惚れ 20 ページ22
「待って、赤司くん！」
人混みを掻き分け、なんとか赤司に追いついた。大声で呼び止めた俺に少し驚いた様子で振り向く赤司。
「何だ？」
「え、えっと。さっきの、気を悪くさせちゃったみたいだから。ごめん」
「別に謝ることじゃないだろ。何で謝るんだ？」
「何でって……」
そりゃ、赤司に嫌われたくないからで。しかしそれは伝わるわけはなく……。
なんて言おうか迷ってると、赤司が怪訝な顔をし、ふぅ…とため息を吐いた。
「理由もなく謝るなんて随分と軽いんだな」
「……え？」
何を言われたのか、一瞬、理解できず、赤司の方を見る。赤司は俺に対して蔑んだ視線を送っていた。
「言っておくが、オレに媚を売っても無駄だ。オレはお前と馴れ合うつもりはない。他をあたってくれ」
冷たく言い放つと俺に背を向ける。そのまま赤司が去ろうとしたが、それより早く俺の口は開いていた。
「ねぇ、それって悪いことなわけ」
不思議と、赤司に冷たく言われてしまったのに全然悲しいと思わなかった。
ただ、疑問なだけで。それのどこが悪いんだ？ 無駄？ 何が無駄なんだ？
「赤司の言ってる通り、俺は赤司に媚売ってんの。だって、俺、赤司と仲良くなりたいもん。俺にとっては無駄なことは何一つないんだ」
赤司は人気者のご機嫌取りして、自分の株を上げようとしているって言ってるんだろうけど、敢えて否定する気はない。だって、好きな子に気に入られようとする振る舞いも似たようなもんだから。
「いいよ。赤司が馴れ合うつもりは無いって思ってくれても、これから俺頑張るからさ」
そうだ。傷付いてる場合なんかじゃないんだ。立ち止まって悲観になるより、俺がすることは一つ。
「だから……」
ぐいっと赤司の小さな身体を引き寄せた。反応が遅れたのか、案外あっさりと捕まった赤司の腰に手を回し、その形の良い小さな耳に唇を寄せる。
「──…」
ボソリ、と囁いた言葉に赤司は目を見開く。その反応を見届けると、ぱっと赤司を解放し、三歩後ろに退る。
「そーゆーことだから」
口元に人差し指を当てて、不敵に笑う。
あぁ、なんか言っちゃえば楽だな。つーか、それよりも
赤くなった片耳を抑えて、こっちを睨んでくる赤司が最っ高に可愛いんですけど……！
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み〜ちゃむ(プロフ) - 九さん» ウワアアアア！頭に血が上りながらも待ってましたwwwwでも待ってた甲斐が有りますねwww面白いです！！ (2015年8月24日 10時) (
レス) id: b3ef065543 (このIDを非表示/違反報告)
九(プロフ) - やさし(くありた)い人間←さん» やさし(くありた)い人間様、コメントありがとうございます！俺得なんて言っていただけて嬉しいです！これからも是非よろしくお願いします！ (2015年8月24日 1時) (レス) id: 0d9ac45806 (このIDを非表示/違反報告)
九(プロフ) - ハクさん» ハク様、コメントありがとうございます！ 赤司受けいいですよね！私も好きです！主の性格がどんどん病的に捻じ曲がっていくんですが、生暖かい目で見守ってください…！ (2015年8月24日 1時) (レス) id: 0d9ac45806 (このIDを非表示/違反報告)
九(プロフ) - もちてんぐさん» もちてんぐ様、コメントありがとうございます！ ドキドキですか、ドキドキしていただけて光栄です！私もコメント頂けて嬉しくってドキドキしてます…。更新頑張りますっ！ (2015年8月24日 1時) (レス) id: 0d9ac45806 (このIDを非表示/違反報告)
九(プロフ) - Ｒｕｉさん» Ｒｕｉ様、コメントありがとうございます！ 早く更新出来るよう色々と頑張ります！！ (2015年8月24日 1時) (レス) id: 0d9ac45806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九 | 作成日時：2014年7月22日 21時
