煉獄家の長女は家族が居ません。

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槇寿郎「体力がだいぶ付いてきたな。
炎の呼吸を使っても申し分無いだろう。」

『本当ですか父上！』

槇寿郎「ああ。呼吸を教えるから頑張りなさい。」

『はい！』









槇寿郎「疲れないのか？少しは休みなさい。」


『いいえ。早く炎の呼吸を使いこなせるようになりたいので。』









槇寿郎「お前に炎の呼吸は合っていないみたいだ。
自分で呼吸を作ってみるといい。」


『……はい。』

槇寿郎「悔いるでない。
いくら炎の呼吸の家系でも合わぬ人も居る。

AはAなりに頑張れ！」


『はい！』









、

槇寿郎「炎の呼吸も使えない出来損ないが!!」


『ごめんなさい。本当にその通りですね。

杏寿郎、千寿郎。姉は出ていきます。』









『ｯ……夢か。』




小麦「炎柱ガマダ玄関二居ルゾ」


『……え？』


ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

『はぁ。外で寝るなよ。』


しょうが無い。
任務が入るまで話を聞いてやろう。


杏寿郎「……ｽｩｽｩ」


『愛いな。』


杏寿郎「ﾊｯ……姉…上？」


『違います。


でも、話だけは聞きます。』


杏寿郎「ありがとうございます。

俺は姉上が鬼に喰われて死んだと聞かされてました。」


『父…槇寿郎様がですか？』


杏寿郎「ｯ…はい。
ご存知の通り、父上は……。

ですので姉上がのような呼吸を使って、

どのぐらいの強さなのかも全く話してくれませんでした。」



『今だけは杏寿郎の姉として話させてもらう。

私は陽の呼吸、炎の呼吸の派生を使っている。
残念ながら炎の呼吸は私には合わなかった。

父上は励ましてくれたが、母上が居なくなってから


「炎の呼吸も使えない出来損ない」

と言われ続けた。』


杏寿郎「…なんと…。」


『父上がそのような事を言う人では無いと分かっていましたが、実際その通りなんですよ。

炎の呼吸を使う家系の長女なのに炎の呼吸が使えないのだから。

だから出ていきました。

父上が私に最後放った言葉は


「二度とうちの敷居を跨ぐな出来損ない」

でした。』




杏寿郎「姉上…。」


『私が柱になる事を嫌がっていたのは

貴方が居るから。

見た目から分かるでしょう？
貴方の姉だって。

でもその姉は炎柱では無いの。

貴方が隣に居る私の気持ち分かる？

炎柱さん。』


杏寿郎「……俺の姉として名乗らなくていい。
隣を歩かなくてもいい。

でも、もう一度煉獄家に来て下さい。」



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