バーボンの婚約指輪

バーボンは優男 ページ49

「ああ、そうだよ」

サングラスの男は口元を歪めた。

「まさか、あんたが探偵だと思わなかったんだ。尾行してもまかれちまったしな」

バーボンはもう一度肩をすくめた。

そりゃ、尾行されて組織のアジトをみつけられちゃったら困るもの。

「でも、伴場さん」

若い刑事が言った。

「彼女が他の男と会っているのをしってて、結婚しようとしてたんですか？」

「普通、本人に確かめるだろう？」

毛利探偵も問い詰める。

「その密会以来、男とは会ってないって探偵さんが言ってたし…

それに、探偵をやとって彼女をしれべてたなんて知れたら、嫌われると思ったんだよ。

お互い養子だってことまで打ち明けあった仲だったからな」

「俺に依頼してくれりゃ、こんな優男、探偵だってすぐにつきとめてやったのに…」

優男…ね。

バーボンが苦笑いしている。

「頼めるかよ！お前は有名で顔バレしてるし、後で彼女に紹介する予定だったしよ…」

「でもなあ、俺にまかせてりゃあ、彼女もじさつなんてしなかったと思うぞ？」

毛利探偵はバーボンを横目で見た。

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