バーボンの婚約指輪

使える少女 ページ17

バーボンside


「それで、何か調べていたんですか？」

「ええ、赤井秀一の死に疑問を覚えて」

「なるほど、僕もです」

僕はザンシアの傍によって、ファイルを覗き込んだ。

「死後のデータが無いことに違和感があるのよね」

「確かに。爆発で吹っ飛んだとありましたが…」

「死亡確認もされてないのよ」

僕はザンシアの横顔をみつめた。

眼を細めて、データをじっと睨んでいる。

確かに、この子は使える。

ほかの人が誰も不思議に思わなかったことに疑問を覚えて、ここまで調べ上げたとは。

見込みがある。

しかし、この少女が笑って人を殺したとは。

ベルモットが言っていた言葉を思い出した。

“キャンティ以上のスナイパーの腕と、ジン以上の冷徹さと、私以上の毒舌をもった少女って考えたらいいわ”

キャンティ以上のスナイパーは珍しい。

ジンはこれ以上ないほどの冷徹な男だ。

ベルモットは、「あの方」さえも言いくるめてしまうほどの口達者だ。

それら三人を超えるほどの少女なのか？

この“ザンシア“は…。

わからない冷徹さ→←ザンシア

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