バーボンの婚約指輪

コードネームはザンシア ページ14

バーボンside


組織に新人が入ったと聞いた。

なんでも出来ると評判で、キャンティもその腕を認めたというほどのスナイパーだという。

「会うのが楽しみです」

「そう？」

「ベルモット、どんな人なんですか？」

「secret hub girlよ…」

「秘密をもった少女…ですか」

「そうね、キャンティ以上のスナイパーの腕と、ジン以上の冷徹さと、私以上の毒舌をもった少女って考えたらいいわ」

「なんですか、それは…」

「さあね。会ってみないと解らないと思うわ」

「はあ…コードネームはなんでしたっけ？」

「ザンシアよ」

「そうですか…会うのが楽しみです」

「あら、どうして？」

「ザンシアは僕の好きな酒ですから。勿論バーボンの次にですけど」

「そうなの？」

「はい」


Aside


赤井秀一のことが気になって調べていたら、ひとりの元組織の一員が出てきた。

「シェリー…か…」

シェリーはこの組織の研究者だったが、姉を殺されたことに反発して薬をつくるのをやめ、組織の「裏切り者」になったという。

シェリーの姉、宮野明美は、赤井秀一の恋人だったらしい。

シェリーの死亡確認はされていなかった。

「シェリー…ねえ」

なぜか気になる。

「パソコンで出てくる情報はここまでか…あ、そういえば資料室があった気がする…」

あそこで調べれば出てくることがあるかもしれない。

「あそこで調べてみるか…シェリーの研究していたこと、シェリーの身の回りのこと、ついでに赤井秀一の死亡確認データも…」

私は回転椅子をすこし蹴るように立った。

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