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４ー２ ページ31
「さむ…」
外に出るアシ(リ)パと杉元
明け方とはいえ日が昇っていないと冷える
「行くぞ白石」
いまだクチャの中にいる男を見下ろす
「寒いからお留守しとく」
「って言ってますけどアシ(リ)パさんどうします？」
「クチャが獣に荒らされるかもしれないから置いていこう」
そう言って歩き出すアシ(リ)パ
「……」
ぬくぬくと暖まる役立たずを杉元はさげすんだような目で見たのだった
☆
代わり映えのしない雪道を歩き続ける
男は少女に着いて行くのみ。いまどの辺りなのか分からない
だが彼女のコタンは通り過ぎているように感じる
「杉元。鹿が歩いた跡がある」
アシ(リ)パの指をさす場所を見るとけもの道と呼ばれるものが
「コタンへの土産にしよう」
そういうと緩やかな傾斜を登ってゆく
「なぁ…アシ(リ)パさん」
「なんだ」
「その和人はアシ(リ)パさんの親父さんが連れてきたんだろ？なんで別のコタンで暮らすようになったんだ？親戚でもいたのか？」
「そのコタンには私の親戚もアイツの知り合いもいない」
「じゃあなぜ」
余計に疑問が深まると共に金塊を奪う殺人計画を練るためにアシ(リ)パと父親から離れたのではないかと思う杉元
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