【金カム】超絶社畜がトリップしてイキイキしだす夢小説 (ページ15)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:72,101 hit

１ー１３ページ15

「でも今の君は、自分では気づいてないかもしれないが命より仕事を優先している」

『そんなの当たり前じゃないですか。お金を稼げなきゃ死んじゃうんですよ』

仕事が命を守ることに繋がる

『……！』

自分で言っていて気がついてしまった
私はさっき遭難していたのだ

雪原に１人
持ち物もなく薄着

数時間歩いて指先は凍死してしまったのではないかと思うほど感覚はなく
寒さの痛みと喉の乾き、それでも歩かなくてはならない

『……私…誰かに助けてもらわなかったら今ごろ山で死んでたかも知れない…』

それだけではなく

アイヌの男に助けてもらわなければ今ごろ体を売ることになっていたかも知れない

命を救ってもらった代わりにもうあの場から出られなかったかも知れないのだ

仕事をしていただけでは命は守れないことを身をもって知ってしまった

「手紙を書きなさい」

差し出された紙

「書いて私の村においで」

落としていた目線を上げる

「１０日あれば獣の皮を売ればいくらか稼げるだろう。その稼いだお金で東京に帰るといい」

深く頭を下げ

『ありがとうございます……！』

私は紙に向き合い鉛筆を走らせた

手紙を出してもらい男が一緒に連れてきたという馬の元へ

『これからお世話になります。あの…私AAって言います。自己紹介が遅くなってすいません』

「構わない。私の名は」

私はこの後、口にしてる以上に自分が置かれていた立場がいかに幸運だったかを知る

今生きてることが奇跡に等しいくらいに

「ウイルク」