【金カム】超絶社畜がトリップしてイキイキしだす夢小説 (ページ11)

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１ー９ページ11

「……。信じよう」

アイヌの男は頷くと

「これを羽織るといい」

自身の防寒具を私へ

『でも…』

「君は寒さに慣れていないようだから信じられないだろうけど今日は比較的暖かいんだ」

『どうも…』

言葉に甘えて羽織るとアイヌの男が使っていたぬくもりがそのままじんわりと冷えてきた体を暖める

「これからどうするんだい？」

『警察署に行こうかなと、事情を話せば電話を貸してくれるかもですし』

「自動電話でよければ私が金を出そう」

『自動？』

アイヌの男は指をさす
その先にはボックスの中に電話が

『公衆電話！』

「確かそんな名前になったんだったかな」

ははっと笑う
アイヌのことはよく知らないが男がスマホを持っている素振りはない

『ありがとうございます！連絡がついたらすぐお返しします！』

電話と向き合うが受話器へ伸ばす手が止まる

使い方がわからない…というかボタンがない

「大丈夫かい？」

『え！！え…、と…』

電話を目の前に固まる私に視線を合わせた

「私がやろうか」

『………お願い…、します…』

目を伏せ甘んじて受け入れる

社会人になって情けない
こんなこと初めてだ

けれど会社を少しだけ忘れられたことが嬉しかった

連絡がついてしまったらまたあの日常が始まってしまうのだろうか