眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ6)

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え？いや、…………は？？？

脳内ツッコミすら出ない。ただただ思考停止。
ここは雪山だよな？？

私自身、雪用のブーツにファーの着いたコートにマフラーというそこそこの重装備をしていても、そこそこ寒いと言うのに

「……あなた、……なにしてるんですか……？」

「あ？？」

男から帰ってきた声は低かった。
断じて言うが私は馬鹿では無い。どう考えても見ず知らずの、しかも男に自分から関わりに行くなんて、普段はそんなことしないのだ。けれど、これは流石につっこまざるを得ない。

「……いや……あの、ここでなにしてるんですか…？」

「見りゃわかんだろ。筋トレだ」

……いや…分かるけど……。
全くもって理解はできない。

なんで筋トレ……？

「このままここにいたら、死にますよ？」

「死にゃしないだ……ろ……って、あ？？」

筋トレをしていた男の人の体がふらりと揺れ、ばたんと雪の中に倒れた。

慌てて近づくと、その男の人の手が赤黒く、腫れ始めていた。そりゃこんな寒い中で雪の上に手を着いて逆立ちしていたら当たり前だ。いくら体が暖かくても、末端や雪との接触部分は冷え始め、凍る。

……っていうか、なんで半裸…裸足…？

「指先の皮膚が凍り始めてます。とにかく、すぐ側に私の家がありますので来てください。」

男の人も流石にそのままじゃやばいと自覚していたのか、「おう、助かる」と呟いて素直に私に着いてきてくれた。

改めて顔を見ると、その目は鋭くてなかなか悪人面……？をしている。

怖い顔だ。