眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ28)

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ナミにそう問われても俺の背に隠れておろおろするだけのAに変わって答える。

「あぁ、そうだ。その絵を貰う交換条件でメリー号に乗せる約束しちまったから、後で乗せてやってくれ」

「ほんとか！？！？こいつ仲間になってくれんのか！？！？」

「ちげーよ！！！！…はぁ…。船を見たいんだと」

なんだよー！と駄々を捏ねるルフィは、早速Aを仲間にしたいと言い出した。気が早い奴だ。本当に。

一応、各自の大事な持ち物や財宝等も置かれているのだから、Aが船に乗りたがった理由を船員に説明する。
「話せるか？」と問うと、Aはこくりと頷いた。

おどおどしながら、ゆっくりと自身が能力者であること、その能力を使ってメリー号の“記録”を見てあの絵を描いたこと。そして、夢の事。

「……だから、少しでいいの。船の中にある物とか、皆さんの持ち物とか、触らせて欲しくて。そしたら、色々な島の記録を読み取れるかもしれないから…。」

能力者であることを聞いたルフィは余計に「すげぇーなー！」と喜んでいて、

「世界中を旅して見たものを描く画家かぁ…！にししっ！いい夢だなァ！それ！！！」

そう言って笑った。

「……馬鹿みたいな夢だって、笑わないの？」

「はぁ？笑うわけねぇだろ、だってお前の絵、すげぇじゃんかよー！おれワクワクした！！」

ケラケラと笑うルフィの言葉に、Aがまた息を飲んだのが分かって、ニヤリと笑ってしまう。
Aはちら、と俺の方を見上げて、へにゃりとまた笑った。