眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ29)

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．ページ29

「…ゾロ」

「な？会えばわかる、って言ったろ？」

「うん、ゾロの言った通りだ」

わしゃわしゃとAの頭を撫でる。

そして、

「なぁ！A！！じゃあお前も俺たちの仲間になれよ！！！」

予想通りと言うべきだろう。ルフィはそう言ってにしし、と笑った。

彼女の絵を見た時点で、少なからずあの絵をルフィに見せればこうなるんじゃないかと思っていた節はあった。

「世界を見て絵を描くことが夢なんだろ！じゃあ俺たちと一緒に来れば良いじゃねぇか！！
画家…いや小説家かぁ！！いいなぁそれ！！
俺達の冒険譚、書いてくれよ！！！！」

こうなる事を分かっていて、
俺はこの場でルフィにあの絵を見せたのだ。
言わば、確信犯かもしれない。

どうして自分でもそんな行動に出たかは言葉に出来ないけれど、夢を語っていたAの姿を、瞳を、笑顔を見た時。

「青い海を見てみたい」

と言ったこいつに、広すぎるこの世界の海を見せたい。冒険に連れ出してやりたいと、そう、思ってしまったのだ。

Aの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。