眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ20)

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こんなに素敵で面白くて愉快な海賊団の話を聞けたなら、すっごくすっごく面白い物語が書けそうだ。
その上、他でもないその乗組員であるゾロさんに、メリー号の絵が欲しいと言って貰えたのだ。「他のクルーに見せたい」とまで。
画家を夢見る者としてこれ以上嬉しいことは無い。

「なんで泣きそうな顔してんだよ」とゾロさんに笑われてしまった。

「じゃ、善は急げだ。メリー号に戻るかぁ」

「あ、手足はもう大丈夫なの？」

「あぁ、助かった。礼を言う」

「いえ！こんなの安いですよ！」

新しいブーツとポンチョ、それからマフラーを来て貰って2人して外に出る。正直まだ全然寒そうだけれど、メリー号に戻れば服があるからと、そこまではその軽装で行く事になった。
因みにメリー号までの道は真っ直ぐ海岸に進むだけだと言うのにゾロさんは何回も変な方向に進もうとするので、なるべく横に並んで進むことになった。恐ろしい程の方向音痴だ……。

「もう……っていうかこの距離で迷子になれる方が逆にすごい……さすがゾロさん」

「うっせぇわ！！こんな前後左右全部真っ白な場所で行先分かるわけねぇだろ！」

そんなレベルの問題ではない気がするけど……。