天資英明 file 6 ページ6
『那由多』はもう随分前に与えられた私の偽名だ。公に名前を明かすことが出来ない私が普段生活する時のために用意して貰った身分。
『安室 那由多』と苗字を改めたのは兄が死んでから。何かと安室さんと一緒に手続きをして貰うことが多かったからその方が便利だと言われたのだ。
「へぇ…!なゆた、っていうんだ!」
「なゆた…すっごく綺麗な響きですね!!」
「そう…?ありがとう。」
「僕知ってるよ!『那由多』って、数字の単位だよね!」
「ええ。君、とっても賢いのね。
無限にとても近いくらい、すっごく沢山、って意味かな」
「へー!!珍しい名前だね!!!」
そうなのだ。『那由多』という名前は些か偽名にしては目立つ。名付けたのは兄と降谷さんらしいけれど、もっと在り来りなものにした方が良いのでは?と何度か思ったことがある。
まぁこういった手続きはかなりの手順を踏む必要があるのでなんとなくこのまま来てしまった。
というか、『コナン』という名前の方がよっぽど変わっているし目立つのでは?という感想が喉元まで出かかった。可愛らしい少年ではあるが賢そうだ。
にこにこと純粋なる笑顔で那由多さん、と呼んでくる2人はとても可愛らしい。毛利小五郎の関係者でなければもっと純粋にこの出会いを喜べたのに。
ため息を飲み込んでにこりと微笑む。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ただ、噂の名探偵の推理をこうも間近で見ることが出来るのは寧ろかなりレアな事かもしれない。
しっかり観察せねばと思い直し事件の様子を眺める。どうやら今は死体の状況確認が終わったらしく、これから現場の確認。警察が到着次第事情聴取という運びになるそうだ。
「僕も小五郎おじさんと一緒に現場見てくるー!!」
「ちょ、コナンくん!!……もー…」
元気よく人集りの中に走って戻って行ったコナンくん。小学生なら怯えて泣き始めてもおかしくないんじゃ?とも思ったけれど、好奇心旺盛な子なのかもしれない。それに蘭ちゃんがある程度慣れているならきっとコナンくんもこういった事件には慣れているのだろう。おそろしい話だ。
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明里香(プロフ) - 推理も架橋じゃなくて、推理も佳境です。 (2022年12月17日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - 読む専ペンギンさん» 申し訳ありません。すぐ変更させて頂きました!教えて頂きありがとうございます!こういったミスへの指摘本当にありがたいです。感謝致します! (2022年8月10日 16時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
読む専ペンギン(プロフ) - コメント失礼します。二次創作になりますのでオ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グ解除をお願いします。違反になってしまいますよ。 (2022年8月9日 17時) (レス) id: 6d42563f0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸せうさぎ | 作成日時:2022年8月3日 11時