天資英明 file 4 ☆加筆 ページ4
「酷い顔色！！まって、あっちで1度座りましょう！！」
「……」
ぽかん、と驚いている間に女の子が近くにあったベンチまで私を導いてくれる。
「ごめんなさい……ちょっと気分が、……優れなくて」
「仕方ないですよ…お水、買ってきますね！」
「…ごめんなさい、本当に申し訳ないです…、でも少し、お願いしようかな」
優しい子だ。情けないけど今は有難い。
彼女が話しかけてくれたことによって他の第三者が周りにいる事を意識することが出来た。周りに誰かが居ると分かれば、自分を取り繕って完璧に演じ切ることが出来る。自分を律して演じる。どんな時もそうして乗り越えてきたはずだ。
「これ、お水です、飲んで下さい！」
水を持って女の子が戻ってきた時には
完璧にちゃんと自分を演じることが出来るスイッチが入っていた。あの時彼女に話しかけて貰えなかったら、そのまま取り乱して過呼吸にでもなって居たかもしれない。
「ありがとう。突然の事でちょっと、ビックリしちゃって。」
「…普通そうですよ、だって急にあんな……誰だって驚きます…。」
「貴方が声をかけてくれて本当に助かった。お水もありがとう。後でお礼をさせて。貴方は強くて優しい子ね」
「いえ！私実は、探偵の…毛利小五郎の娘なんです！だからこういった事件には遭遇したことが何度もあって」
………毛利、小五郎の、………娘………？？
突然流れてきた情報に頭が完全に思考停止してしまいフリーズする。あまりにも突然で、その上タイムリー過ぎはしないか。
普段ならどんな状況でも臨機応変に取り繕って演じることが出来るはずなのに、この時はまだ、さっき見た、死体とーー血が、脳裏にこびりついていて、私自身に余裕が無かった。
だから私はその瞬間、ほんの、ほんの一瞬だけ不快とか焦りとか驚きを顔に出してしまったのだ。
でもそれはほんの一瞬のことで、直ぐにまた完璧に自分を取り繕った筈だったのだ。動揺も焦燥もうまく隠せたと、そう思い込んでいた。
そう、でももうこの時には既に遅かったのだ。
もう全てが大失態。失態を重ね、
この時点で私は完璧に、もう取り返しがつかないくらいまで失敗を重ねてしまっていた。
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明里香(プロフ) - 推理も架橋じゃなくて、推理も佳境です。 (2022年12月17日 6時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - 読む専ペンギンさん» 申し訳ありません。すぐ変更させて頂きました！教えて頂きありがとうございます！こういったミスへの指摘本当にありがたいです。感謝致します！ (2022年8月10日 16時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
読む専ペンギン(プロフ) - コメント失礼します。二次創作になりますのでオ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グ解除をお願いします。違反になってしまいますよ。 (2022年8月9日 17時) (レス) id: 6d42563f0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2022年8月3日 11時
