天資英明 file 3 ☆加筆 ページ3
「きゃああああああっっ！！！！」
響き渡った女性の悲鳴。瞬間、騒然とする店内。
「触るな！！多分もうその人死んでる！！」
「う、嘘！！だってさっきまで！！！」
「おい！！容疑者はこの中に居るはずだ！店から誰も出すな！！」
誰かの怒声が飛んで、どんどん騒がしくなる。不安そうな声、嘆く声、怒る声、怯える声。
色々な人の感情が爆発して辺りは混沌としていた。かくいう私も、体が固まったように動かない。まって、これは、非常に不味い。
大失態、これは確実に大失態だと言えよう。
でも言い訳をさせて欲しい。
誰だってちょっと買い物に出かけた程度で、まさか、殺人事件に遭遇するなんて普通、予測して動くだろうか？？いや、まさかだろう。
そんな『出先で友人に遭遇しました』くらいのレア度で殺人事件に遭遇しては困る。
困るのだ。私はあまり目立ってはいけない立場なのは分かっているし、それに、
目の前に転がった男、は、目を見開いて苦痛に顔を歪めて、1ミリも動かない。開いたまま閉じない眼球。広がる血液。真っ赤、真っ赤で、死んでいる。息をしていなくて、きっとこの人はもう二度と、あ、やばい。考えるな。
思考を止めようとした時にはもう遅い。
震えが止まらない。
フラッシュバックする記憶の中、
私は、真っ赤に広がる血溜まりの中に、ひとり、
「…ごめ、なさ、……っ、」
もうやだ。怖い。逃げ出したいのに、記憶ってどうしてこうも簡単に人を恐ろしいトラウマへと連れ去るの？
無意識に口にしていたのは謝罪の言葉だった。これは、やばい。そう思った瞬間
「ちょ、貴方、大丈夫ですか…？」
誰かに声をかけられた気がして目線を上げると女子高生くらいの女の子が心配そうに私に駆け寄って来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明里香(プロフ) - 推理も架橋じゃなくて、推理も佳境です。 (2022年12月17日 6時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - 読む専ペンギンさん» 申し訳ありません。すぐ変更させて頂きました！教えて頂きありがとうございます！こういったミスへの指摘本当にありがたいです。感謝致します！ (2022年8月10日 16時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
読む専ペンギン(プロフ) - コメント失礼します。二次創作になりますのでオ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グ解除をお願いします。違反になってしまいますよ。 (2022年8月9日 17時) (レス) id: 6d42563f0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2022年8月3日 11時
