#91 ページ41
『ごめん、やっぱり清光たちに行ってもらってくれる？』
「どうして？」
『今剣ちゃんを修行に行かせようと思って』
「わかった、伝えてくる
今剣をここに連れてこればいい？」
『お願いね、ほたっちゃん』
一周目は俺が隊長で修行に行く寸前の短刀たちと一緒に行ったのに
隊員の今剣を修行に行かせるために休みをもらった
当の今剣は喜んでいたよ
国俊は極まってるし、俺も行きたいって思ったけど
欲張りかなっていつも結局それに行きつく
「わかった、じゃあ俺たちに任せて
ありがとう蛍丸」
「久しぶりに出陣出来るんだね、楽しみだよ」
「おんしらはええの、わしゃ全然じゃ！」
「お前は大人しく新人の世話でもしてろ」
「だめだよ兼さんそんなこと言っちゃ」
加州に伝えたとき、嬉しそうだったな
一番初めに修行に行ったときに本丸が襲撃されたって聞いたけど
そこから幕末の刀は一振りを除いて全員修行に行ったわけだし
あの髭の強い……蜂須賀虎徹の兄の、えっと
長曾祢虎徹、だったかな
その刀はまだなんだって
「ねぇ、長曾祢虎徹どこにいるの？」
「長曾祢さん？多分浦島と一緒にいるんじゃないかな」
「僕見かけましたよ、部屋にいらっしゃいました」
「秋田、ありがとう」
「いえ！」
通りすがった秋田に教えてもらって虎徹部屋に行く
って言ってもわからないから国俊に連れて行ってもらったんだけど
全部同じ部屋に見える
「何で急に長曾祢さんに会いたいなんて言ったんだ？」
「なんとなく、気まぐれだよ」
「まぁいいけど、変なことするなよ？」
「変なことすると思う？」
「長曾祢さん繊細なんだぜ」
「えっ」
幕末組の刀なのに……？
あの刀たちは神経図太いのに？
えっ……？
え？
「ただでさえ一振りだけ修行どころか戦えないのに
落ち込まないわけないだろ？」
「あー……つまり、今の国行と一緒なの？」
「そういうこと」
「聞こえてるから！兄ちゃんしっかりしてくれって！
俺たち虎徹まだ誰も戦に行ってないから！」
「どうせ俺は育ててもらえないさ……アイツらは強いからなぁ」
「この贋作はいつも通り面倒くさいな！」
ここの虎徹は仲がいいらしい
主の話を聞くと他の本丸では仲が悪いって聞いたから
主の妹本丸にも行ったけど仲が悪かった
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