【銀魂】真選組の女神様

第8話 ページ10

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Aさんのフローラル事件(違う)は一度置いておきたくはないが置いておくとして……そいつらはAさんを見つめたまま動かなくなった。


…なるほどねィ。見惚れてんのか。

仕舞いには声揃えて"女神"だと。


見惚れてしまうのも、女神だと思ってしまうのも無理はない。
そんじょそこらの女とは比べものにはならないのだ、あの人は。


才色兼備、この言葉が良く似合う。

段違いの美しい容姿と性格を兼ね備えた上、驚く程の運動神経を持っている。


そして、刀の使い手だ。

外見からは想像できないその強さは、真選組随一の腕前と謳われている俺でも尊敬するくらいで。
(久しぶりに今度稽古つけてもらお)


だが、コイツらはAさんのことを何も知らない。綺麗なお姉さん、そう見られているんだろう。
まさか、真選組だとは思うまい。

だから手を出されてしまう前に屯所へ帰りたい。
特に旦那は危ない。



「Aさん、帰りやしょう。みんな待ってまさァ」



みんな待ってるとか言ったが、実際そんなこと思っちゃいねェ。他の奴らなんて正直どうでもいい。早くここから出たいがための適当な理由でィ。



『…うん、帰ろっか』



Aさんは困惑した様子でこちらを見た。
そりゃ初対面の奴に女神だとか急に言われたら困るに決まってる。


…残念でしたねェ旦那方。これでお前らの第一印象は意味のわからないことを言う人だ。

ん、待てよ。俺達が殴り合ってる時が最初の印象なら、
…残念でしたねェ旦那方。これでお前らの第一印象は凶暴三人衆だ。メガネ？メガネは第一印象もメガネだろィ。



「しょうがない！まだお妙さんといたいのは山々だが、Aが戻ってきたんだ。帰るとするか！」


「普段もこうやってすんなり帰ってくれたらどんだけ楽か…」



しめた。近藤さん達も帰る雰囲気になった。

絡んでこない今のうちに──



「おいおい、真選組の皆さんよォ。このままずらかるつもりか？そりゃねェだろ。散々手ェ出しといて？迷惑かけられて？それ相応の対応してもらわないと困るよォ。
この女神さんの連絡先ぐらい教えてくれないと」




…最悪でィ。
とてつもなく面倒なことになっちまった。



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