【銀魂】真選組の女神様

第46話 ページ48

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『(…来た)』



寺の外が何やら騒がしくなったと思えば、真選組が到着し、その周りにマスコミが殺到しているようだった。

彼女は一日局長としてそばにいたのに、どうして拉致されてしまったのか、それについてどう説明し、どう責任を取るのだとか、世間から責め立てられているらしい。
なんとも見たくはない図だ。



「みんなー！」


「ふっふっふ…来たか真選組。解散の手続きは済ませて来たんだろうな」


「…え？なんて言った？
すいませーん！！！もう一回おっきい声でお願いします！！！」


「みんなー！」


「ふっふっふ…来たか真選組。解散の手続きはって2回も言わせんなァ！！なんか恥ずかしいだろが！！！

………"聞こえづらいんで筆記でお願いします"…っく」



『(…思ってたのと違うな)』



この寺は三重塔のようになっていて、最上階に私たちがいる。部屋の中心に人質は集められ、攘夷浪士達はそれを囲む様に立っており、ここからの位置では外の様子が分からない。
その為、彼らのやり取りは声だけでしか情報は入ってこない。

結局近藤さんがお願いした筆記でやり取りをし始めたので、何を言い合っているのかは不明だが、凄く情けないということは分かる。

思ってたのと違うな。



＿＿＿＿＿
＿＿




それから、立てこもり犯と警察には思えない受け答えが続いていた。
近藤さん達の姿は見えないけど、時折聞こえてくる声から、まともではないことだけは確かだと思う。


しばらくすると何故かカレーの匂いが漂ってきた。真選組に作らせたんだろうか。よく分からないが。別に私たちが食べさせて貰える訳でもないし。いらないけど。
というか私が言うのもおかしいけど、もっと他にもあったんじゃ…？


女性たちは座りながら時間が過ぎるのを待つしかなく、私は床の木目を見つめながら隙を伺っていた。足は自由で、私だけなら寺からは逃げられそうだけど、ここにいる人達全員を助けることは難しいだろう。



『…ん？』



今までよりも特段に騒がしくなり、何があったのかと顔を上げる。



「やめてお願い！もうっ！
─きゃっ！」


「出来なくば、近藤(・・)の代わりにこの女が死ぬだけだ。人ひとりも守れん輩が江戸を守ろうと…ふっ、笑わせる」


『(…近藤の、代わり？)』



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