第32話 ページ34
.
「すみません、連絡もなしに来てしまって」
『全然。またいつでもおいで』
「A、今度は一緒に出かけるアル!」
『勿論!楽しみにしてるね』
「お年玉もありがとうございました!」
「ありがとうアル!」
『うん、気をつけて帰ってね』
お年玉の袋は新八くんは少し前に懐にしまっていたが、神楽ちゃんは今でも大事そうに両手で握っていた。
そんなに喜んでくれるとは思っていなくて、こちらもあげた甲斐がある。
『あと旦那にもよろしく伝えといてね』
「わかりました!」
「またナ〜A!」
「さようなら!」
『じゃあね』
軽く新八くんがお辞儀をして、神楽ちゃんが元気よく手を振る。それに私も振り返して見送った。
仲良く並んで帰る姿が微笑ましい。喋りながら歩いているのか、時折見える笑った横顔が好きだと感じていた。
──しかし、そんな穏やかな時間も束の間だった。
ドクン、と一つ大きく脈打つ心臓。
呼び起こされる記憶。
目を逸らした。
突然ふたりの背中が、見ていられなくなった。
『………だめ、だな』
ここ数年は、なんともなかったのに。
乾いた笑いが意図せずもれた。
私はきっと、何も変われていない。
.
783人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽっぽ - てぇてぇです。供給ありがとうございます (4月7日 23時) (レス) @page10 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - アキさん» 良かったです!嬉しい…ありがとうございます!! 天才な訳ないです💦でもそんなに言って頂けると自信持っちゃいますね☺️ 相変わらず亀更新にはなってしまうと思いますが頑張っていきます! (2022年9月15日 22時) (レス) id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - めちゃくちゃお話が好みです‥😭✨天才すぎます、、更新頑張ってください! (2022年9月14日 17時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - そらねさん» 本当ですか!?良かった…!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年12月5日 10時) (レス) id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!!ゆっくりになるとは思いますが頑張っていきます! (2021年12月5日 10時) (レス) @page19 id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんのる | 作成日時:2020年4月19日 19時