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第30話 ページ32

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「A大好きアル〜!!」


「ほんとにいいですか?貰っちゃっても…」


『いいんだよ。貰って?』



再び神楽ちゃんに抱き着かれている瀬那さんに、僕は受け取れないと渋っていた。どうしても、色々と申し訳ない気持ちが勝ってしまうからだ。



「いや、お年玉なんて…。それにもう僕は貰えるような年じゃ…」


『素直に受け取って欲しいなぁ』


「で、でも…」



そんな自分の様子を見て、瀬那さんは僕に一歩近づき、僕と神楽ちゃんの手を取った。
そして軽く握ったそれを見つめれば、長い睫毛が影を落とす。



『……もうね、新八くんも神楽ちゃんも、弟と妹みたいに思ちゃってるの。私』



思いがけない言葉に、目を見張った。



『2人が可愛くて仕方ないの』



そんなことを簡単に言い退けて、彼女は笑みを浮かべてこちらを向いた。少し、触れ合った手が熱い。



「瀬那、さん」

「A…」



込み上げてくるものがあった。そんな風に想ってくれて、それを伝えられて、嬉しくない奴なんているだろうか。

きっと隣に立っている神楽ちゃんも、同じことを感じているはずだ。



『こんなタイミングで言うのは、ちょっと違うのかもしれないけどね』



瀬那さんは僕達の手から両手を離したかと思えば、そのまま上へと向かい、僕と神楽ちゃんの頭に置いた。



『…少しでも、甘やかしてあげたいって考えちゃうんだよ』



でも何故だか、彼女の顔を見て思う。優しくて、柔らかい表情をしているはずなのに。

瞳の奥底は憂いを帯びていたような気がした。



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設定タグ:銀魂 , 真選組 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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ぽっぽ - てぇてぇです。供給ありがとうございます (4月7日 23時) (レス) @page10 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - アキさん» 良かったです!嬉しい…ありがとうございます!! 天才な訳ないです💦でもそんなに言って頂けると自信持っちゃいますね☺️ 相変わらず亀更新にはなってしまうと思いますが頑張っていきます! (2022年9月15日 22時) (レス) id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - めちゃくちゃお話が好みです‥😭✨天才すぎます、、更新頑張ってください! (2022年9月14日 17時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - そらねさん» 本当ですか!?良かった…!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年12月5日 10時) (レス) id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)
あんのる(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!!ゆっくりになるとは思いますが頑張っていきます! (2021年12月5日 10時) (レス) @page19 id: 11504569a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんのる | 作成日時:2020年4月19日 19時

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