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と、決めたはいいものの。そう簡単に上手くはいかなくて。藤宮とは相変わらず話せないままでいた。
委員会があったのは月曜日で、今日は金曜日。もう1週間が終わろうとしている。
「いっそ手紙とか…？ふはっ、無いわ〜」
そう独り言を呟きながら、夕日に照らされた廊下を部活の練習着姿で歩く。自分のクラスを目指して。
机の中に忘れてきてしまった課題を休憩タイムの今、取りに向かっているところだ。
藤宮のクラスの前を通り、いないかなーなんて思いながら中を覗いてみる。
マジ？いるんだけど。
何やら真剣に本を読んでいるようで、俺の存在に気づく気配は微塵もない。
教室の壁に掛けてある時計で時間がまだ平気な事を確認すると、俺はそっと静かに彼女から一つ離れた席に座った。
数分眺めていると、藤宮が本を読みながらふっ、と笑みを零した。
その姿がかわいくて。微笑ましくて。つい頬が緩んでしまう。
「それ、面白い？」
あ、やべ。
藤宮の肩がぴくっと反応した。恐る恐るこちらに顔を向け、俺だと分かるとガタガタッと音を立ててあからさまに動揺の姿を見せる。
えっ…と……なんて言って目を泳がせて鞄に手をかける藤宮。
「ご、ごめんっ！！」
「あっ、ちょっ、藤宮！！……っA！！」
教室から逃げ出した藤宮を追いかけ、廊下に出てなんとか呼び止めようとした結果、咄嗟に口から出たのは彼女の名前だった。
苗字じゃなく名前で呼ぶのは初めてかもしれない。
その為か、なんとか足を止めてくれたようだ。
そんな彼女と俺の距離をゆっくりと縮めていく。
「な、なに？」
「…こっち向けよ」
肩をグイッと引っ張り、俺の方へ無理矢理振り向かせれば、予想していなかった藤宮の赤面に今度はこっちが動揺してしまう。それと同時に、釣られて自分の頬が徐々に熱を帯びていくのがわかる。
「…は、何…照れてんの…」
「ふ、二口が急に名前で呼ぶ、から…」
そう発する彼女の声は段々と窄んでいった。照れ隠しなのか、鞄を両手で掴んで俯き口元を隠す。
無意識でやっているであろうその行為に、この状況下でときめいてしまい、ズルいよなぁ…と小さく声が零れた。
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さくらんぼ☆*.ﾟ - 完結おめでとうございます！！新しい二口の作品も絶対！！見に行きます！！ (2022年8月14日 13時) (
レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
2次元に行きたい詩乃(プロフ) - さくらんぼ☆*.ﾟさん» 好きな子に一途で真っ直ぐな二口もいいな〜と思っていたので、そう言っていただけるととても嬉しいです！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年8月8日 1時) (レス) id: 6f74db3a3a (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ☆*.ﾟ - 初コメ失礼します！！ツンデレ イメージのある、にろちゃんがこんなにも好きな子に夢中だなんて、ニヤニヤが止まりません( ◜௰◝ )ﾆﾋﾋ← 更新頑張ってください！！ (2022年8月7日 22時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
2次元に行きたい詩乃(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると、とても励みになります！！好きな子の事で悩んでいる可愛い二口が伝わっているようで嬉しいです！！ (2021年2月6日 8時) (レス) id: 53d9b11240 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 続き凄く気になります！楽しみにしてますね！二口がとてつもなく可愛い！！！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2次元に行きたい詩乃 | 作成日時：2019年11月10日 19時
