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「藤宮〜教科書貸して〜」
「…ごめん、他の人に借りて」
「藤宮〜今日放課後ヒマ？」
「あー…ごめん。ちょっと用事が…」
「藤宮、委員会の事なんだけど」
「ごめん、また後で」
________
「…なぁ、どう思う？滑津」
「完全に避けられてますね〜」
「だよなぁ………」
部活の休憩時間。スクイズボトル片手にここ数日起きている事を滑津に相談すれば、分からないフリをしていた答えを容赦なくぶつけられた。
やっぱ避けられてるよなぁ…。
藤宮が俺を避け始めたのは数日前。
図書委員の仕事で放課後2人で残っている時、俺が告白した事が原因なんだと思う。
こんな事になるなら言わなければ良かった、と少々後悔が残るが…。クラスメイトの藤宮が気になっている発言を聞いたら、どうしても言わずにはいられなかったのだ。
「はぁ…どうすっかなぁ…」
「いっそ壁ドンして行き止まりにしちゃうとか？」
「いや無理だろ恥ずかしい」
「ダッサ」
「うっせ」
そんなんだといつまでも避けられたままだよ〜と言い残してコーチの元へ小走りで向かっていった滑津の背中を眺めながら、壁ドン…ねぇ…と小さく呟き俺が藤宮へ壁ドンをしているところを想像する。
いやいやいやいや、何を考えてるんだ俺は…。
ふと我に返ったところで自然と頬に熱を帯びるのがわかる。
母さんが観ている恋愛ドラマとかで見かけたりするけど、俺なんて想像だけでも恥ずかしいのによくやるよな…。
そこまで考えたところで休憩終了の声がかかり、ボトルを置いて俺達は練習を再開した。
翌日。俺はこの日も藤宮に避けられ続けたままだった。
「藤宮、昼一緒に……って逃げ足はっや…」
声を発した瞬間に椅子から立ち上がり後ろのドアから逃げていく藤宮を視界に捉え、嘘だろ…とつい心の声が漏れてしまう。
けれど、ポジティブに考えればほぼ一瞬で俺だって気づいたって事は、それだけ二口堅治、俺の存在に敏感になっているという事。全く意識していないという訳では無さそうだ。
勘違いかもしれない。ただの妄想にすぎないかもしれない。だから喜ぶのはまだ早い。そう自分に言い聞かせても、口元はゆっくりと弧を描く。
ダメだ、好きな子が自分を意識してるかも、だなんて。そんなの嬉しくてニヤけるに決まってる。
昨日まで避けられているわけがない、とそれだけに必死で考えられなかった事が考えられるようになり、この状況を少しだけ楽しめるようになってきたような気がした。
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さくらんぼ☆*.ﾟ - 完結おめでとうございます！！新しい二口の作品も絶対！！見に行きます！！ (2022年8月14日 13時) (
レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
2次元に行きたい詩乃(プロフ) - さくらんぼ☆*.ﾟさん» 好きな子に一途で真っ直ぐな二口もいいな〜と思っていたので、そう言っていただけるととても嬉しいです！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年8月8日 1時) (レス) id: 6f74db3a3a (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ☆*.ﾟ - 初コメ失礼します！！ツンデレ イメージのある、にろちゃんがこんなにも好きな子に夢中だなんて、ニヤニヤが止まりません( ◜௰◝ )ﾆﾋﾋ← 更新頑張ってください！！ (2022年8月7日 22時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
2次元に行きたい詩乃(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると、とても励みになります！！好きな子の事で悩んでいる可愛い二口が伝わっているようで嬉しいです！！ (2021年2月6日 8時) (レス) id: 53d9b11240 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 続き凄く気になります！楽しみにしてますね！二口がとてつもなく可愛い！！！ (2020年7月4日 21時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2次元に行きたい詩乃 | 作成日時：2019年11月10日 19時
