第二話 印象 ページ3
***
「では、これにて会議は解散です。」
解散の合図がされ、お館様が退場された瞬間私の表情筋は力を失った。
はあ、ほんと疲れた。浮かべたくもない笑みを浮かべる時ほど疲れるものってないわ。
「よっAだったか?次期柱候補ってことは、お前強いんだろ?仲良くしようぜェ。」
顔を揉みほぐしていると、早々近付いてきたこの見た目が派手な男。名前呼びなんて許可してないわ。てか誰なの?自己紹介くらいしなさいよ。ああっちょっとやめて!肩に手を置かないで!
「は?急に話しかけて何?触らないで。生理的に受け付けてないわ。」
ぴしり、とその場の空気か凍ったような気がした。でもそんなの私には関係ないわ。耀哉様の前じゃなければね!
「……うむ、先程とは随分別人のようだが。」
_あらやだ、まだ分からないの?
「あんなの、耀哉様の前だからに決まってるでしょ。むしろ耀哉様以外の前でイイ顔する必要でもあるのかしら?」
またもやその場には静寂が訪れた。
だが、流石は柱と言うべきなのか順応性はある。小柄な女性の言葉を筆頭に沈黙は容易く消えた。
「あらまあ…これまた強烈な……」
「うーん、他の人とは違った魅力があるわね!素敵だわ。」
「オイオイ、猫被ってんじゃねェぞ!!」
蝶の髪飾りをした女性に、隊服がなかなか破廉恥な女性、それと隊服の前をはだけさせた男。
…見渡した時にも思ったけれど、個性強烈すぎじゃない?
「うっさいわね、私が耀哉様に可愛がられてるからってそんな怒らない方がいいわよ。怒りっぽい男はモテないわ。」
はんっと鼻で笑えばわなわなと震えるその男。嫌だわ、図星だからってそんな怒らないで。
「こいつは一体なんなんだ。お館様からの紹介だなんてどんなやつかと思えば…俺は認めん。こんなのが柱候補だなんて認めないからな。」
くどくどと煩い男。その首もとには蛇が巻き付いていた。えっ待ってよその蛇大丈夫なの?噛まないでしょうね?放し飼いやめなさいよ。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」
「…………」
少し焦る私を
これが、私と柱達のファーストコンタクトである。多分、印象は最悪だろう。
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ちなみに、会話に出てきていない冨岡は、話が終わった途端帰ったらしい。
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作者名:鹿太郎 | 作成日時:2019年8月21日 0時