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A視点
質問に銀時は答えない、ただ驚いたように目を見開きこちらを見ている
我に返ったのか、少し考えた後口を開く
銀「俺は···」
銀時が喋ろうと口を開けた瞬間、怖くなった
私は反射的に声を上げる
『やめて!』
私は本当に意気地無しだ、自分から聞いたくせに言葉を遮るなんて
銀時の口から
「お前のことが嫌いになったから」なんて言われたら、立ち直れない
だから言われる前に自分の口で言う
『銀時は私のことが嫌いになったから私の前から消えたの?』
銀時の顔が見れない
怖い
「あったら切り刻む」なんて思ってたのに、全くできていないじゃないか
銀時が勢いよく立ち上がって、私の肩を掴み声を上げる
銀「んなわけねぇだろ!俺がお前を嫌いになるなんてことあるわけねぇだろ!」
『だってあの時私が』
銀「お前は何も悪くない」
銀時が大きな声で私の意見を否定する
涙が目の縁にたまる
安心したのだ、銀時に嫌われていないという事実に
『じゃあなんで、私の前から、みんなの前から姿を消したの?』
銀「それは」
銀時が視線を動かす
視線の先は真選組だ
銀「今、ここでは言えない、だけどAのせいじゃねぇし、ちゃんと説明もする···だからちょっと待っててくれ」
この言葉で理解した、銀時が言わないのは私のためだ
ここで説明すれば私が元攘夷志士ということがバレてしまう
この人はどこまでも真っ直ぐで優しい人だ、それは今でも変わらないみたい
私は泣かないように目尻に力を入れて返事をする
『うん、わかった。待ってるから絶対話してね』
銀「あぁ、分かってる」
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作者名:リム | 作成日時:2023年2月2日 0時