3話 ページ6
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朝早くのこと。
いつものように学校へ行こうと通学路を歩いていると、途中の路地裏で人が倒れているのを発見してしまった。
『……死んでる?』
恐る恐る近づいて見ると、その人が息をしてるのが確認できた。
なんか全体的に白い人だなぁと思いながらその人のことをじっと見てると、その人は急にムクっと起き上がってきた。
「…どこ?」
その人は寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロと見渡す。
そしてボクを視界に入れると、その人は急に抱きついてきた。
『!?』
「A。Aの匂いだ。夢って匂いとかあるんだ。」
その人はボクの首すじをクンクンと匂ぎながら抱きつく力を強めてきた。
『ちょ、苦し…』
「A、なんか前より更にちっちゃくなった?」
『前?』
最近は変な人にばっか遭遇する気がする。
ただし、皆に共通してることがある。潔さんやこの人は、何故かボクのことを前から知ってるような口ぶりで話してくること。
『あー、えーと…ボクもう行かなきゃなんで!』
「あっ」
ボクはその人がボクの顔を確かめようと抱きつく力を緩めた隙に、一目散に走り始めた。
ふと後ろを振り返ると、その人はただ只管ジッとボクの後ろ姿を見つめていた。
「んぁ、もしもし?レオ
……あれ、これって現実か。
ちえっ、逃がしちったよ。」
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作者名:漢方薬の達人 | 作成日時:2023年6月9日 9時