120 ページ20
伏見:美咲!?
八田:「猿比古、大丈夫か!?」
二人が同時に発した声がたんまつの中でぶつかった。
同時に一瞬黙ってから、
伏見:ダメだ、全部っ……
八田:「急に切れたからよっ」
とまた声がぶつかり、また一瞬黙る
伏見:……中止だ。
俺達の……俺の、負けだ
奥歯が軋むほどに噛み締めた
……悔しい。初めてだ……負けたなんて………
八田:「猿比古?何があった?
今戻ってるとこだから、すぐ行く。
Aはどうした?」
伏見:一応一緒に居る。
俺らも今そっちに向かってる。そっちはどうなってる?
八田:「あ、ああ、俺はA探してたんだけど、中々見つからないから日向中の連中に混じってたんだけど、何か大変な事になってきてよ。
店の窓とかドアとか壊されて、集まった奴らが中に押し入ろうとして、それを赤い怪物の手下な押し返して……」
おそらくjungleは赤い怪物とその一味を煽って一般人に手を出させようと仕向けたんだろう。
パソコンに侵入してきたあのアバターは赤い怪物の事を"赤の王"と呼んでいた
"王"………?
パンッ!
間近で破裂音がして、顔の右側に鋭い熱が刺さった
伏見:熱っ━━
たまらず小さな悲鳴をあげて、地面に膝をつき、危うくAを落とすところだった。
Aを地面に寝かせ、片手で顔を押さえて正面を向く。
指の隙間から目を凝らすと、細い白煙が立ち上るクラッカーを手にして立っている者が居た。
半分押し上げた仮面の下で、大貝阿耶が据わったような目でこっちを見下ろしていた
伏見:てめぇ………
ぎり、と歯軋りして低い声を絞り出した
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神夜 | 作成日時:2017年4月8日 21時